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奇貨となるべし
奇貨となるべし
城作也
文芸・その他雑文・エッセイ
2024年11月24日
公開日
676字
連載中
「奇貨居くべし」の奇貨。

奇貨となるべし

私には小説好きな友人がいます。仮にA、Bと呼称。

二人は、読書のスタイルが全然違います。


Aは小説サイトに投稿中の作品を楽しむのが好きで、新しい才能やユニークな視点に出会うことが喜び。


一方、Bは出版された作品にしか目を向けず、完成された物語にじっくり浸る。


Bが言うには、

「出版された作品は物語にどっぷり浸かれるからいい。サイト投稿の作品は、誰かが考えながら書いているって意識しちゃって、なんか冷めてしまう」


確かに、完成された作品には強く没入できる感がありますね。


しかしAは反論します。

「確かにサイト投稿の小説は没入感が薄い時もあるけど、知られざる良作に出会える喜びは大きい。だから自分は、『周りが注目しているから』って理由だけで作品を選ぶことはしない」

Aの意見には、新しい作品を探す楽しみが感じられます。


ここで注目したいのは、アマチュア作家の作品を積極的に読んでいる人々です。

新しい作品に目を向けるその姿勢は、実はとても価値のあるもの。

普段は読者として楽しんでいる側ですが、実は作家たちからも見られ、期待されている存在です。

感想やフィードバックは、作家たちにとっての大きな励みになります。実際、読者の存在が彼らの作品を育てる一因となっています。つまらないかもしれないし、更新が止まるかもしれない、というリスクもある中で新しい作品を開拓する姿勢は、結果的に多くの人に影響を与えていると言えます。


書籍化されていない作品に期待をかけてくれる方々に、私は感謝しています。そういう人たちに見守られて新しい作品を作り出すことで、私たちもまた新たな感動を得られています。

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