※前回のあらすじ※
愛理栖は地面に「アイリス」と書き、地面からブリキ缶を掘り出す。中にはペンダントと手紙が入っており、愛理栖に指示が書かれていた。
※あらすじ 終わり※
「手紙はここで終わってるね。
48時間か。愛理栖は今日はまだ時間大丈夫?」
「大丈夫です。それに、手遅れになって宇宙が消えてしまったら、どうにもなりませんし」
「そうだね。じゃあ、行こうか?」
「はい。 行きましょう!
ひかるさん、私は力を使って飛ばします。
私の手をしっかり握っていて下さいね」
愛理栖は僕にそう言うと、手を繋いでいない方の手の人差し指を空中にかざし、
まるでオーケストラの指揮者のように複雑に動かした。
そして最後に小さく一言呟くと、
僕は愛理栖の5次元の力で空間や時間を自在に移動できた。
しかし、それとは引き換えに、
僕はまるで目に狙いを定めて殴られているかのようなもの凄い光の刺激を受けた。
また、黒板に爪を立てて引っかくような不快な轟音の刺激も加わった。
僕はただただ目を瞑り縮こまることで、これらの代償に耐えるしかなかった。
それは別の次元から僕に迫ってくる何かだろうか?
それは僕が愛理栖と移動するたびに、空間や時間を超え僕に近づいてくる。
それは僕には見えない存在だった。
・・・・・・
「ひかるさん? ひかるさん、着きましたよ!」
「え……?」
僕はゆっくりと姿勢を戻し目を開けた。
「こ、ここは……!!