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68.大阪10都市火災事件(小柳警視正不倫事件)

========== この物語はあくまでもフィクションです =========

============== 主な登場人物 ================

南部[江角]総子(ふさこ)・・・大文字伝子の従妹。南部興信所所長の妻。EITOエンジェルのチーフ。

南部寅次郎・・・南部興信所所長。総子の夫。

大前英雄管理官・・・EITO大阪支部の管理官。コマンダー。総子からは『兄ちゃん』と呼ばれている。

足立祐子・・・EITO大阪支部メンバー。元レディース・ホワイトのメンバー。

石動悦子・・・ EITO大阪支部メンバー。元レディース・ホワイトのメンバー。

宇野真知子・・・ EITO大阪支部メンバー。元レディース・ホワイトのメンバー。

丘今日子・・・EITO大阪支部メンバー。看護担当。元レディース・ホワイトのメンバー。

河合真美・・・ EITO大阪支部メンバー。元レディース・ホワイトのメンバー。

北美智子・・・ EITO大阪支部メンバー。元レディース・ホワイトのメンバー。

久留米ぎん ・・・ EITO大阪支部メンバー。元レディース・ホワイトの総長。EITOエンジェルス班長。

小峠稽古 ・・・ EITO大阪支部メンバー。元レディース・ホワイトのメンバー。

和光あゆみ・・・EITO大阪支部メンバー。元レディース・ブラック7のメンバー。

中込みゆき・・・EITO大阪支部メンバー。元レディース・ブラック7のメンバー。

海老名真子・・・EITO大阪支部メンバー。元レディース・ブラック7のメンバー。

来栖ジュン・・・EITO大阪支部メンバー。元レディース・ブラック7の総長。EITOエンジェルス班長。

愛川いずみ・・・EITO大阪支部メンバー。EITOエンジェルスの後方支援担当になった。

本郷弥生・・・EITO大阪支部、後方支援メンバー。暫く米軍に研修に行っていた。

大前[白井]紀子・・・EITO大阪支部メンバー。事務担当。ある事件で総子と再会、EITOに就職した。

神代チエ・・・京都府警の警視。京都府警からのEITO出向。『暴れん坊小町』の異名を持つが、総子には、忠誠を誓った。

芦屋一美(ひとみ)警部・・・大阪府警テロ対策室勤務の警部。総子からは『ひとみネエ』と呼ばれている。アパートに住んでいる。

用賀[芦屋]二美(ふたみ)二曹・・・。三つ子の芦屋三姉妹の次女。陸自からの出向。総子からは『ふたみネエ』と呼ばれている。オスプレイやホバーバイクを運転することもある。後方支援メンバー。総子の上の階に住んでいたが、用賀と結婚して転居した。

芦屋三美(みつみ)・・・芦屋グループ総帥。EITO大株主。芦屋三姉妹の長女で、総子からは『みつみネエ』と呼ばれている。芦屋三姉妹と総子は昔。ご近所さんだった。


小柳圭祐警視正・・・警視庁から転勤。大阪府警テロ対策室室長。

真壁睦月・・・大阪府警テロ対策室勤務の巡査。

佐々一郎・・・元曽根崎署刑事。横山と同期。大阪府警テロ対策室勤務。通称佐々ヤン

指原ヘレン・・・元EITO大阪支部メンバー。愛川いずみに変わって通信担当のEITO隊員になった。

用賀哲夫空自二曹・・・空自のパイロット。EITO大阪支部への出向が決まった。二美の元カレだったが、二美と結婚した。

デビット・ジョンソン・・・アメリカ空軍軍曹。EITO大阪支部専従パイロット。

幸田哲夫・・・南部興信所所員。

倉持悦司・・・南部興信所所員。

花菱綾人・・・南部興信所所員。

横山鞭撻・・・南部興信所所員。

松本悦司・・東京の天童に同じく、かつて大文字伝子と闘った。EITO大阪支部武術顧問。元大阪府警巡査。


町村貢・・・大阪府警本部長の警視監。

小柳胡桃・・・小柳警視正の妻。元警視監。小柳と再婚後、警察(警視庁)を退職。


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= EITOとは、Emergency Information Against Terrorism Organizationを指す =

==EITOエンジェルズとは、女性だけのEITO大阪支部精鋭部隊である。==


※大阪拘置所は、大阪市内の梅田や京橋からも程近い至便な場所に位置する西日本最大級の拘置所で主に刑事被告人を収容しています。

建築後、50年の経過で建物の老朽化が進んでいたため、周辺環境の向上と調和、被収容者の生活環境や安全環境の向上等をコンセプトとして、平成22年から大規模な建替え工事を実施中です。

受刑者が行う刑務作業として、営繕、洗濯等の自営作業のほか、居室内で行う紙袋の加工、プラスチック製品の小物組立作業等の比較的簡易な生産作業も行っています。

法務省の管轄です。


午前9時。EITO大阪支部。会議室。

マルチディスプレイに、いつもの通り、小柳警視正が映っている。

「暫く休養するよ。」そう言ったきり、画面は真っ白になった。

「ヘレン。通信障害や。調べてみ。」「コマンダー。向こうが切っただけみたいですけど。」

ヘレンは、通信担当になってから、色々と勉強をした。三美の計らいで、芦屋グループからインストラクターがやってきて指導して貰った。

サーバーはちゃんと動いている。そして、ネット回線メンテナンスシステムも正常だ。

ヘレンは、念の為大阪府警とのホットライン電話を取り上げた。

真壁が出た。

「真壁さん、小柳警視正は?」「帰宅したわよ。有給休暇らしいの。今朝初めて知った。事件起ったら、EITO大阪支部に任せるって。事件かどうかは、本部長預かりらしい。逃げやがって。」

大前は、やはり小柳と真壁の不倫の噂は本当だった、っと思った。

と言っても、以前一美から聞いただけの噂話だが。

総子と小町が、遅れてやって来た。

「ジュン。何か寒いんやけど。」「氷点下ですわ。」

二美と用賀も遅れてやって来た。

今朝は、各地で交通渋滞だ。4人は、それで遅れたのだが・・・。

「氷点下?」二美と用賀は顔を見合わせた。

午前9時半。

「府警から入電。一美さんです。」ヘレンは、てきぱきと言って、マルチディスプレイに大阪府警テロ対策室を映した。

「コマンダー。町村本部長がまだ到着していないので、室長代理として緊急要請します。本日午前8時。同時火災が発生。豊中市、吹田市、摂津市、門真市、大東市、東大阪市、守口市、八尾市、堺市、 松原市。大阪市に隣接する10都市に同時火災。大阪府警テロ対策室ゼロワン作戦として、EITO大阪支部に消火及び避難誘導及び原因究明を要請します。」

「大阪府警テロ対策室ゼロワン作戦?なんやそれ。初耳やぞ。」大前が言うと、一美は「私も初めてよ。マニュアル渡されたの今朝だし。」

「今朝?」「ベッドでね。メールが来たの。犯人からと、奥さんからと。」

「一美。話が見えへんぞ。」「兄ちゃん。詳しい事は後で確認しよ。いくで、みんな。」

「どこへ?チーフ。」小町が言って、「そうか。10カ所か。」

「コマンダー。今度は芦屋総帥からです。」ヘレンは大前に怒鳴った。

「コマンダー。豊中市、吹田市、摂津市、門真市の北摂4市は、芦屋オスプレイが担当するわ。あとの市はお願い。」

「了解した。総子。大東市、東大阪市、守口市の班と八尾市、堺市、 松原市の班に別れて消火及び避難誘導や。オスプレイは1号機デビット、2号機弥生や。1班はジュンと小町、2班はぎんと総子に任せる。一番近い市である程度落ち着いたら、次に向かえ!!」

「了解!!」

全員が部屋を出て行く時、紀子は100均の『火打ち石』を鳴らした。

火は出ない。カチカチ鳴るだけだ。火事現場に向かうのに火打ち石は変だが、紀子は考えなかった。

午前10時半。芦屋オスプレイの中。

操縦しているのは、何と友田知子だった。

副操縦席で、芦屋三美は豊中市の火災現場上空に差し掛かると、「消火弾投下!!」と叫び、小型消火弾を上空から落した。

消火弾とは、空自の特別チームMAITOが開発した、緊急消火爆弾で、山火事などを想定して作られてた武器だが、MAITOのテリトリーから遠いEITO大阪支部にも、芦屋グループを通じて提供された。

午前10時半。オスプレイ1号機の中。

小町は、デビットの横の副操縦席で、初めて消火弾のスイッチを触った。

「間もなく、守口市の火災現場上空です。小町さん。合図したらスイッチを押して下さい。」と、デビットは指示した。消火弾は、操縦席側からも操作できるが、副操縦席で他の者が操作した方が正確だ。

数発落したところで、ジュンは言った。

「よっしゃ。デビット、稽古降ろしたら、門真に向かって。」「了解!!」

午前10時半。オスプレイ2号機の中。

総子は、弥生の横の副操縦席で、初めて消火弾のスイッチを触った。

「なんや、緊張するな。弥生は慣れてるんか?」「伊達に研修行ってませんよ、チーフ。」

その様子を見ながら、ぎんは言った。「八尾の火災現場上空に来たら消火弾落して貰う。それから、オスプレイが移動する。祐子は、スパイダーシュートで降りて警察や消防の協力に降りるんや。すぐ皆離ればなれやけど、大丈夫やからな。」

スパイダーシュートとは、『持ち手』がついたロープで、オスプレイから緊急時に伝って降りるロープだ。投降する隊員は、消防署の隊員のように迅速に地面に辿り着く。

午前10時半。大阪市役所。

市長室に押し込む、数人の強盗。ノートPCにシューターが刺さった。

シューターとは、チタン製の、うろこ形の手裏剣である。

「また、送金するのかな?公金を。」ホバーバイクでやって来た、いずみが言った。

ホバーバイクとは、民間会社が開発、EITOが採用し、改造した『宙に浮くバイク』で、戦闘または運搬に利用している。

午前10時半。大阪府庁。知事室。

猿ぐつわをカマされ、転がっている知事と職員。

徐ろに、ノートPCを開ける、強盗。

途端にピエロが飛び出した。オモチャである。

数人の強盗が拳銃を持って身構えたが、用賀は『銀玉ガトリング砲』で銀玉を連中に浴びせかけた。

午前10時半。大阪拘置所。

侵入しようとした作業員風の男を、EITO大阪支部顧問の松本と、二美が取り押さえた。

「大前さんの『読み』が当たりましたな。」と、松本は笑った。

午前10時半。大阪府警。留置場。

職員に化けた男が侵入したが、一美と真壁が取り押さえた。

真壁は、小柳警視正と南部にショートメールをした。

午前11時。小柳邸。

佐々刑事が、見張っていた南部興信所の南部以下調査員の合図で大勢の警察官と共に突入し。幽閉されていた小柳夫妻を救出した。

午後4時。EITO大阪支部。司令室。

「と言う訳や。小柳さんは無事救出。火災現場は全焼を免れた。黒幕のテロリスト十河(そごう)啓太は、拘置所・留置場の仲間を開放するために、大仕事をした。全ての火災現場で時限装置が発見された。人質取られた小柳さんは、真壁と一美に後を託して『有給休暇』という『隠語』を残して、敵に拉致された。十河は、横ヤン花ヤンが『ヤサ』を見付けて、今、府警本部に護送中。全てよし、と言いたいが、功労者の真壁や一美との不倫がばれて、開放された時に、奥さんの小柳胡桃さんは、こう言った。」

大前は、佐々刑事が録音した音声を流した。

「今度、不倫したら旅行先は『那珂国』よ。分かったわね。」

午後7時。南部家。

「町村さんは、さっき府警に到着した。遅いなあ、管理職は。しかし、恐い嫁はんやなあ。真壁のことは聞いてたけど、一美ネエまでナア。一美ネエな、吉本知事とも不倫してたらしいで、昔。」

「俺は、浮気はせえへんからな。そんな元気もないし。」

「そう思って、新しい精力剤、用意しておきましたよ、旦那様。奥様。」

「おんなはみんな恐い。」と、南部は声に出さず心で言った。

―完―

※隠語(いんご)とは、ある特定の専門家や仲間内だけで通じる言葉や言い回しや専門用語のこと。外部に秘密がもれないようにしたり、仲間意識を高めたりするために使われる。


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