「なあ、お前はデルタって呼んでいいか?」
「なによぉ〜!
あんた、まだあたしに言い足りないことがあるわけ!?」
デルタは涙でくしゃくしゃになった顔をこれ以上見られまいと、蓮姫に背を向け応えた。
「カムっち、ちょっと言い過ぎー!!
デルタが可愛そうじゃんかー!」
「ハルキ、いいかぁー?
これはとても重要なミッションで、お前にしかできないことだからよーく聞けよぉお!?」
「え!? でへ、でへへへへww
アタシにしかできないことぉ?
いいよ! 聞く聞く!
だから早く教えてー!」
「お前のその薄ら笑い、不気味で気持ち悪りぃーんだよ!
私に触れるな、さわるな、近寄るな。
そして、お前は黙ってろ!
いいか?」
「いいよ。ふーんだ!
さもアタシのものわかりが悪いから釘を刺しとくみたいなその態度マジあり得ないんすけどー!」
「なあ、デルタ?」
「アタシはムシかいっ!!」
「だから何よー!?」
『ほらっ!!』
蓮姫はそう言うと同時に、突然デルタの方向に向かってある光るペンダントを投げた。
『わっ! わっ! ちょっとー!』
デルタは自分の手元に狙いを定めて投げられたペンダントを、慌てつつもなんとかキャッチした。
「デルタ、ナイスキャッチ!」
「ナイスキャッチじゅないわよー!
何でいきなりペンダントなんてあたしに投げつけてくるのよー!?」
「そのペンダントにはな、博士がお前等三人に遺したビデオレターが入ってる」
「ビデオレター?
本当のパパの?
でも、どうしてあんたがそれを、そしてそのペンダント!
ナブラやラプラシアンが持っていたペンダントを持ってるのよ?」
「それはな、ネイピアっていう高飛車なゴスロリ女が私に預けたものなんだ。
デルタ、お前にあった時に渡せってな」
「どういう事!???」