ここ
(
白雪くんは短めの髪型で黒髪の皆より少し背が高い優しい男の子でみんなに人気なんだけど。
しかし不思議なことがあって、頭の上ら辺には黒い玉がふわふわ浮いている....
何故か入学式からずっとあるけど、何故かみんなそれを気にしていない。
(もしかして気にしたら負けなやつ?)
そう思っているんだけど、今日、好奇心が勝ってしまい、運良く1人で机に座っている白雪くんにゆっくり小さな声で話しかけた。
「白雪くん、あ、あの..言いずらいんだけど頭上にある黒い玉って何?」
そう言うと白雪くんは少し驚いた様子で言ってくれた。
「え?えっと...見えるの?」
「う、うん」
「よかった...僕だけかと思ってたよ」
「え?みんな気にしてないだけで見えてるんじゃないの?」
「そうだと思うんだけどさ...お母さんに聞いても本当に見えないて言うんだ、見えてる人は、僕のおばあちゃんぐらいだったんだけど」
「そうなんだ結構見えてる人多いいと思ったんだけど....」
視線を感じて、ふと気になって周りを見た...そしたらなんか...
(めっちゃ見られてる.....)
確かに意味不明の会話だし...
人気な男の子がぜんぜん喋らない私と会話してたら、そりゃこんな反応なるよね...と思ってい去ろうとしたら、後ろから呼び止め慣れる。
「ごめんね...木空さんなんか、嫌な雰囲気にして」
「だ、大丈夫だよ白雪くん、そろそろ次の授業だからま、またね」
「うん、変な質問してごめんね」
「え?あ、うん、大丈夫だよ」
心の中で(ありがとう)と言って、素早く会話を打ち切り席に戻る、正直いってめっちゃ怖い、この後、他の人に何か言われたりとかぜすに、何事もなく帰れるように祈っておこう、と思った....
その願いが通じたのかもしれないが学校は何事もなく終わり、帰りの時間になった。私はバッグに荷物を入れていると横から白雪くんが小さい声で話しかけてきた。
「木空さん一緒に帰れる?」
私は一瞬迷ったがすぐに小さい声でいいよと言った。
◆◇◆
「ごめんね木空さん。急に誘っちゃって」
「大丈夫だから、気にしなくていいよ」
今は下校中。白雪くんと帰り道が同じ方面だったため、遠回りなどせず帰宅していた。
しかしちょっとだけ何時も下校してる時に使う道じゃないので少し不安だけれど。
「そういえば白雪くん、なんで一緒に帰れる?って聞いたの?」
「いやちょっとこの黒い玉について話そうかなって....だめだった?」
自分の頭の上をフワフワ飛んでいる黒い玉を指さしながら、少し恥ずかしそうに白雪くんは言う。
「別にいいよけど...所でその黒い玉に名前とかないの?黒い玉じゃ呼びにくくない?」
「呼びにくいんだけど.....おばあちゃんとの会話でもあんまり黒い玉に関係する会話しなかったから、それで名前つけてなかったんだよね」
白雪くんは少し懐かしそうにそう言う。
「そうなんだ...」
私と白雪くんは同じペースでゆっくり歩く、ふと頭の中で黒い玉の名前が思いついた。
「黒玉ちゃんとかどう?」
「安直すぎない?まあわかりやすいから黒玉ちゃんでいいのかな?」
白雪くんは考えるように少し俯いたあと、頷く。
「わかりやすいし、
私は心の中で(やった!)と思いながらも表に出さないようにこらえた。
「安直すぎたかなと思ったけど、白雪くんがいいならそれでいいよ、よろしくね黒玉ちゃん」
そう言うと黒玉ちゃんが少し大きくなった!
「こいつ....動くぞ!?」
「ネタ古すぎない?まあ多分そろそろ起きる時間かな?」
私はなんの事かと思い聞いてみる。
「急に大きくなったらびっくりしたよ、それに起きるってどう言うこと?」
「言ってなくてごめんね、学校にいる時は寝てるのか分からないけど小さくなってて動かないんだ。でも、このくらいの時間になると起きたのか大きくなって動くんだよね。
ちなみに、寝てる時は小さいピンポン玉ぐらいの大きさで、起きたら野球ボールぐらいの大きさになるんだ」
「そうなんだ」
私はそう言って頷いていると、黒玉ちゃんは少し動きだして、周りを見るようにその場を小さく周ると、私にびっくりしたような反応をして、その場に固まったけど、すぐ白雪くんの周りを楽しそうにクルクル回った。
「めっちゃ可愛い.....」
「だってさ黒玉ちゃん」
黒玉ちゃんはちょっと恥ずかしそうに、私から見えないように白雪くんの後ろに隠れた。私は可愛いなぁと思いふと周りを見ているといつも帰ってる時に通ってる道に戻ってきていた。
「私ここら辺で曲がらないといけないんだけど...白雪くんは?」
「そうなの?僕はその反対方向何だよね...ごめんね?長く会話しちゃって」
「気にしてないよ、白雪くんと会話するの楽しいし」
「そう?ありがとう」
私はそういえばと思い、スマホを取り出しとあるQRコードを見せた。
「だ、ダメだったらいいんだけど、ほら、黒玉ちゃんのこと気になるし...そのLI○E交換してくれない?」
私が恥ずかしそうに聞くと、白雪くんは笑って
「別にいいよ」と答えてくれた。
LI○Eを交換したあと私達は再び「また明日」と挨拶をして家に向かう。
私は家族以外に増えたメッセージの欄を見てにやけながらも、少し小走りで家に帰るのだった。