どう動くべきか考えていると相手の《アーマードスライム》は早速動いてきた。
『ガチャン……』
『ガチャッ……!』
『ギギィィイイイ!?!?』
《魔蟲ビーマンティス》1/2→死亡
《アーマードスライム》2/4→2/3
「《魔蟲ビーマンティス》の死亡時効果発動。
ランダムな敵ユニット1体に自身を《寄生》させ、《宿主》状態にし、そのユニットが死亡した際自身を復活させる。」
《ミミックスライム》1/3+《宿主》
《寄生》の最大の強みはどのカードも共通して《宿主》が死亡する事をトリガーに自身を復活させる、又は他のユニットを召喚するといった能力となっている所だ。
つまりこのデッキは相手のユニットが存在する限り永遠と味方ユニットが出現し続ける事が出来る。
それに加えて一部のユニットの《寄生》には《宿主》としたユニットにデバフ効果を付与する物もある為にかなり強力だ。
とはいえ《寄生》する相手はランダムだしこっちがちゃんと狙って《宿主》を攻撃出来ないと結構まずい上に全体的に能力は低めだからそこを上手くカバーする必要はあるんだがな。
『ガチャ……』
「俺のターン。
コストを2消費してアクションカード《復讐》を発動。
一つ前のターンに相手によって自身を死亡させられていた時、選択した相手ユニットに5ダメージを与える。」
『ッ!?!?』
《ミミックスライム》1/3→死亡
《ヘルムスライム》1/3
俺は《宿主》状態となっている《ミミックスライム》を選択し、一撃で倒せる程のダメージを与えていく。
発動出来る状況こそ限られているが非常に強力なカードだ。
今までは使いづらそうと思って採用すらしていなかったカードだがいざ浅麦と戦ってみるとこの手のカードを上手く運用した時の強さを毎回思い知らされる。
《アーマードスライム》をコピーした《ミミックスライム》の死亡で《ミミックスライム》がいた場所に新しく甲冑の頭部分のみとなった《ヘルムスライム》が現れるが能力は低い為今の所は問題ないな。
「《宿主》状態となっている《ミミックスライム》の死亡をトリガーに《宿主》の能力発動。
俺の場に《魔蟲ビーマンティス》を復活させる。」
『ギギィィィイイイ!!!』
《魔蟲ビーマンティス》2/3《寄生》
死亡した《ミミックスライム》から産まれるように《魔蟲ビーマンティス》が現れて俺の前列右側へと移動してくる。
これで相手を一度処理しながらユニットを召喚出来た。
2コストでこれだけの効果なら十分過ぎるだろう。
「更にMPを1消費して前列左側に《魔蟲の卵》を召喚。」
《魔蟲の卵》0/1
「《蠱毒の青虫》でダイレクトアタック!」
『ギシャァア!!』
『ッ!!』
《アーマードスライム》HP29→28
「MPを1消費してアクションカード《生贄》を発動。
《魔蟲の卵》を死亡させて最大MPを+1する。」
《倉木 拓真》最大MP4→5
《魔蟲ムカデアリ》2/2《寄生》
これでMPはなんとか追いついた上に前列左側に《魔蟲》ユニットを増やすことが出来た。
とはいえ手札の枚数がそろそろ少ない、流石に補充しないと不味いな。
「ターンエンド。」
『ガチャン……!』
『ゴプフポァ……!』
《スライムウィザード》1/4
《アーマードスライム》2/3→3/4
《ヘルムスライム》1/3→2/4
やっぱり出てきたか《スライムウィザード》……しかも面倒くさい事に《アーマードスライム》の後ろに召喚されているから少し手を出しにくい。
『ガチャン……!』
『ガチャッ!』
「ぐっ!?あぁ!?」
《倉木 拓真》HP30→28→25
流石に《寄生》を警戒してダイレクトアタックをしてきたか。
それに
確かに浅麦の言った通り明らかに素人の動きじゃない。
戦い慣れている動きだ。
『ガチャ……』
『ゴプァ……!』
《スライム》1/1→2/2
しかも空いていた前列中央にまでユニットが出てきたせいでこっち側のダイレクトアタックは出来ないか……
《アーマードスライム》がターンエンドし、俺のターンが回ってくる。
「俺のターンMPを3消費して後列中央に《狂魔蟲・クレイジースコーピオン》を召喚する!」
《狂魔蟲・クレイジースコーピオン》1/1《寄生》
《狂魔蟲・クレイジースコーピオン》は浅麦からさっき貰ったユニークレアの1枚で素の能力こそ低いが《寄生》を繰り返すことでユニークレアに相応しい能力を得ていく。
コストが低いのもあって最終的にかなり凶悪なユニットになるだろう。
「更にMPを2消費してアクションカード《増殖の為の犠牲》を発動。
味方ユニット1体を死亡させて山札から3枚ドローする。」
《狂魔蟲・クレイジースコーピオン》1/1→死亡
俺は《狂魔蟲・クレイジースコーピオン》を生贄として選択して死亡させ、一気に手札を増やしていく。
更に死亡させた《狂魔蟲・クレイジースコーピオン》はその尻尾を切り離して《ヘルムスライム》へと飛ばして寄生していった。
《ヘルムスライム》2/4+《宿主》
「更にMPを1消費して後列右側に《蠱毒の青虫》を召喚。
前方にいるランダムなユニットに《毒》を付与する!」
『ギシャァァァ!!』
『ッ!?!?』
《蠱毒の青虫》1/1
《スライムウィザード》1/4+《毒》
よし、当たればいい程度に思っては居たが上手くいったようだ。
これで放置していても2ターンで《スライムウィザード》は落ちる。
「《魔蟲ムカデアリ》で《ヘルムスライム》を攻撃!」
『ギギギギィィィイイイ!!』
『ッ!!』
『ギシャァァア!?!?』
《ヘルムスライム》2/4→2/2《宿主》
《魔蟲ムカデアリ》2/2→死亡
《魔蟲ムカデアリ》の死亡によって《寄生》が発動し、《スライムウィザード》へと切り飛ばされた頭が飛んで噛みつかれる。
『ッ!?!?』
《スライムウィザード》1/4《毒》+《宿主》
「更に《魔蟲ビーマンティス》で《ヘルムスライム》を追撃。」
『ギシャシャシャシャシャッ!!』
『ッ!?!?』
《ヘルムスライム》2/2→死亡
《魔蟲ビーマンティス》2/3→2/1《寄生》
「《ヘルムスライム》の死亡をトリガーに《宿主》の効果発動。
俺の前列左側に《狂魔蟲・クレイジースコーピオン》を+1/+1して召喚する!」
『ギシャァァァァァァアアア!!!』
《狂魔蟲・クレイジースコーピオン》2/2《寄生》
更にこのユニットの《寄生》による強化は重複させることが可能であり、《宿主》を通した復活を繰り返せば繰り返すほど強くなる。
やろうと思えば10/10なんていうとんでもないステータスだって狙えるだろう。
「ターンエンド!」
《スライムウィザード》1/4→1/3《毒》《宿主》
『ガチャ……!』
《暴食の粘性物・グラトニースライム》2/6→3/7
相手側のMPを表すクリスタルの光りが7つ分全て消え去り、前列右側にユニークレアのユニットが現れた。
性能は一見低そうだがこれどう見ても能力が相当やばいタイプだな。
『ガチャッ!!』
『ギギィィイイ!?!?』
《狂魔蟲・クレイジースコーピオン》2/2→死亡
《アーマードスライム》3/5→3/3
《スライム》2/2+《宿主》
よし、撮りやすい位置に《狂魔蟲・クレイジースコーピオン》の《寄生》が発動してくれた。
問題は《暴食の粘性物・グラトニースライム》の能力がわからないくらいか……
そう思っているといきなりその不明だった能力が発動した。
《暴食の粘性物・グラトニースライム》3/7→4/8
「なっ!?」
こっちのユニットの死亡をトリガーとした強化か!?
流石にそれは放置できない!
『ゴプァァァア!!』
『ギキィイイイイ!?』
《魔蟲ビーマンティス》2/1→死亡
《スライム》2/2《宿主》→死亡
《暴食の粘性物・グラトニースライム》4/8→5/9→6/10
《狂魔蟲・クレイジースコーピオン》3/3《寄生》
敵味方関係なく死亡する度に能力上昇!?
割と本格的に不味すぎるユニットだ。
『ッ!!!』
「ぐっ!?」
《倉木 拓真》HP25→24
結構本気で不味いな……最優先で《暴食の粘性物・グラトニースライム》を処理しなきゃいけないが死亡する度にHP含めた能力上昇は本気で不味い。
今の手札で行けるか……?