10. 王族を拾う
私たちがラインストーンに滞在してもう5日が立つ。幸い、あの時の日焼けの痛みももうなくなってきたのです。王都へ向かうための砂漠鉄道に乗るための資金稼ぎも順調に進んでいるのです。それはこの前の出来事からフィオナが頑張って魔物を討伐出来るようになったおかげでもあるのですよ?
ミルディの魔法錬金も順調ですし、まぁ……私が一番何もしていないのですけどね……今は1人で部屋で本を読んでいる。いつも通りのんびりと。
「ふぅ。今日もいいお天気なのです。もうそろそろみんな帰ってくる頃なのですね」
そしていつも通りギルドの魔物討伐依頼を終えて、ロゼッタ様とフィオナが帰ってくる。
「フィオナお主は少し前に出過ぎじゃ。ワシが魔法を使えない場面が多かったぞ。もう少し周りをよく見て動くのじゃ」
「はい師匠気を付けます!」
「うむ」
今日も2人は反省会をしている。その様子を見ると凄い微笑ましいです。少し前とは違いもう仲睦まじい師弟関係なのです!
「あっ!アリーゼ様読書ですか?何の本を読んでるの?ボクも読みたいな」
「フィオナも本に興味あるですか!?いいのですよ!今読んでいるのは『杖で叩かれない方法~初級者編~』なのです」
「おい。何て言うタイトルの本を読んどるのじゃお主は。嫌みかアリーゼ?ワシへのあてつけか?」
「そんな事ないのですよ。あっでもフィオナは読んでおいたほうがいいのですよ?すぐに使える場面がくるかもなのです!」
私がそういうとロゼッタ様は膨れているのです。う~っこう見ると本当に幼子に見えて可愛いのです!でもこれを言うと杖で叩かれるので黙っていることにする。早速役にたったのです。
ちなみにフィオナには、普通の冒険譚が書かれている小説を貸してあげたのです。私が本を貸してあげたのが嬉しかったのか、少し頬に赤さが見える気がします。
すると私と目が合い、フィオナはそれに気づいたのかさらに顔を赤くして照れていました。やっぱりこういうところが可愛らしいのですね
「それにしてもミルディは帰っとらんのか?少し遅いのぉ?」
「そういえばそうなのです。何かあったのですかね?」
私たちがそんな事を思っている時タイミングよくミルディが戻ってくるのです。でも少し様子がおかしいのです何かあったんですかね?
「ただいま!」
「遅いぞミルディ。何かあったのか?」
確かにちょっと焦ってるような声にも聞こえるのです。どうしたんでしょう?というか……ミルディとともに1人の見慣れない少女がいるのです。
「ミルディその子誰なのです?まさか誘拐とかではないですよね?」
「誘拐!?ミルディさん……」
「そんなわけあるか!」
まさかな話なのですけど……一応注意しないと危ないのです。とりあえず話を聞かないことには何もわからないので全員集まって話を聞くことにするのです。
もちろんその女の子には紅茶を入れてあげる。とても喜んでくれたようだったのです。とりあえずロゼッタ様が話始めるのです。
「っで……お主名前は?」
「サリア=ジルベールです。」
「ほう。サリア=ジルベール……ふむその格好貴族か?」
「いえ。一応王族です」
なぜこんなところに王族がいるのです?しかもただの魔法鍛冶屋のミルディと?ますます謎に包まれてるのです。
「私はアリーゼただの聖女なのです」
「聖女様?まぁ……初めて本物の聖女様を見ました。凄いお綺麗な方なのですね」
「ボクはフィオナ。よろしくねサリア様」
「あのさ……なんでみんな普通に受け入れちゃってるの!?王族だよ!?」
はい?王族の方です。ミルディは王族の方と会う機会がないから仕方ないのかもしれないのです。私やフィオナは立場上、何度か王族とあっていますからね、今さら物珍しいものでもないのです。