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2. 情報を集めるのです

2. 情報を集めるのです





 魔法都市ルナノワールにたどり着き、私たちは希少価値の高い鉱石「ミスリル」を発掘するためのツルハシを簡単に手に入れたのです!そして宿屋の部屋も空いていて、こんなにとんとん事が運ぶなんてなんか大聖女ディアナ様のお導きを感じるのですね!普段から良い行いをしているからなのですかね?とか思ってみたりするのです。


 とりあえず私たちは「ミスリル」を発掘をするため、鉱山に入る準備で買い物に出かけることになったのです。私はミルディと共に今、魔法都市の大通りを歩いているのです。


「う~ん。すれ違う人みんなやっぱりローブを着てる。魔法士なんだろうね……あたしも戦えるくらい魔法が使えたらなぁ……」


「ミルディは魔法使えるのです。第0等級の生活魔法が」


「いやそれじゃ戦えないじゃん……あたしのはせいぜいランプに火をつけたりとか、鉄を冷やす水を出したりとかしかできないし……」


「……私は何もできないのです。「聖痕」が消えたのです」


「あっごめん。そう……だよね。あたし考えなしに話しちゃった。アリーゼごめんね」


 ミルディが謝ってくるのです。でも別に気にしてないのですよ?むしろミルディと仲良くなれて嬉しいのです。それに私にはこの「世界書庫」の力があるのです。だから大丈夫なのですし、聖魔法は知らないのです!


 そんなことを話しながら私たちがたどり着いた場所は酒場なのです。情報を集めるとしたらやっぱりここなのです!本に書いてあったのです。まずは鉱山の情報がほしいのです。そんな時ミルディが心配をしてくるのです。


「あのさアリーゼ?いきなり酔っ払いとかに絡まれたりしないかな?あたしこういう場所入ったことないからさ……」


「怖がっちゃって、ミルディは女の子なのですね?大丈夫なのです!何事も経験なのです!私も入ったことないのです!」


「私は女だよ。それにそれ大丈夫って言わな……ちょっとアリーゼ!?」


 私はミルディの忠告を無視して酒場の中に入ると昼間っから酒を飲んでいる人たちがいるみたいなのです。まあ今はお昼過ぎで朝から飲んだくれている人はさすがにいないと思うので、多分夜通し飲んでいた人達だと思うのです。


 そして、まるで本の物語のように……フラグと呼ばれるものを回収したのか、私とミルディは酒場に入った瞬間にすぐに酔っぱらいたちに絡まれたのです。


「おう嬢ちゃんたちぃ~ここは子供がくるようなところじゃないぞぉ~」


「そうだそうだぁ~嬢ちゃんたちはどこかに行って遊んでろよぉ~それともオレたちと大人の遊びでもするかぁ?げはは」


「そりゃいいな~見てみたらそこの銀髪のお嬢ちゃんいいもん持ってるし、赤い髪の嬢ちゃんも可愛いがってやるぜぇ~」


 下品な笑い声を上げる男達に囲まれて怖くなったのか私の服を掴む力が強くなるミルディ。こういう野蛮で下品な男どもは説教が必要なのです。私は行動にうつすのです。目を瞑り意識が深いところまで潜る。そしてお目当ての本を見つけ、ページをめくる。


【酔っ払いを完膚なきまでに黙らせる方法】

 1.テーブルなどを蹴飛ばす(女性はパンツが見えないように)

 2.周りにいる人を巻き込むように挑発する(一気に)

 3.相手を怒らせる言葉を言う(何でもいいです)

 4.相手がキレたところで相手に攻撃を加え気絶させましょう (顎が効果的です。)


 ふむふむ。なるほどなのです。それなら一気に行くのです!


「全く大の大人が情けないのですよ?女の子2人相手に?」


「ああ?なんだと?」


「聞こえなかったのですか?」


 私はそう言って近くにあったテーブルを蹴り飛ばしてひっくり返したのです。そしてその音を聞いて慌てる周りの男たちに向かって言い放ったのです。


「喧嘩を売るなら相手をよく見てから売るべきなのです!特にあなた方みたいなダメな大人は!」


 私がそういうとその酔っ払い三人組は顔を真っ赤にして殴りかかってきたのです。


 しかし私はその拳を受け流し、持っていたロッドで顎にカウンターを叩き込んだのです。そしてそのまま三人は倒れ込んでしまいました。酔っ払っているのが悪いのです!


 するとその様子を見ていた他のお客さんたちが拍手をして私を讃えてくれたのです。そしてそれを見た他のお客さんたちも一斉に私に対してエールを送ってくれたのです。そんな様子を見ていたミルディはポカンとした表情を浮かべながら固まっていました。


 とりあえず情報収集をしたかったのでそのまま酒場のマスターに鉱山のことを聞くと、どうやら最近魔物が山に住み着いて鉱石が更に取れなくなっているそうなのです。


 これは困ったのです。私たちは鉱石を取りに来たのにこれでは採掘ができないのです。一応魔物を討伐すれば鉱石が取れるらしいのですが、数が数だけになかなか難しいとのことなのです。


「うーん……それじゃどうしようか……?」


「とりあえず宿屋に戻ってロゼッタ様とフィオナを待ってみるのです」


「そうだね……そうしよっか」


 私たちはそう決めると酒場を出て宿屋に戻ったのです。そして部屋に戻るとそこにはすでにロゼッタ様とフィオナがいたのです。


「む。ずいぶん早かったの?」


「そうだね。まだ1時間くらいしかたっていないけど……何かあったの?」


 私は酒場であったことを話すと二人はとても驚いた様子だったのです。


「なるほど。魔物とはのぉ……どうしたもんか……」


「でも魔物を倒せば鉱石が手に入るんだよね?それなら師匠の魔法やボクの魔法剣でなんとかならないかな?」


「いや……それはどうじゃろうな。ワシとフィオナの魔法で何とかなるような魔物の数ではないのじゃろ?」


 確かに数が数と言っていたのです。たかが2人なんて厳しすぎると思うのです。するとミルディがある提案をしてくるのです。


「それならギルドに依頼をするのはどうかな?あたし達だけじゃ厳しいならギルドの依頼として出せば冒険者達が何とかしてくれそうじゃない?」


「でも報酬はどうするの?あまり少ない額じゃ誰も動いてくれないよねきっと……ボクならそう思うし」


「そう言われるとフィオナの言う通りかも……はぁ何かいい方法ないかなぁ?」


 ミルディがため息をつくとロゼッタ様はあることを思いついたようなのです。


「……なら。直接マジカリア城へ行くしかあるまい。あまり気は進まんがの……」


「え!?︎お城に行くのです!?」


「うむ。この国の賢者に会いにいく。あやつなら鉱山の件を何とかしてくれるかもしれんしな……それに……色々都合が良さそうだしの……」


 賢者?あやつ?ロゼッタ様は何か策があるのでしょうか?でもお城に行けば鉱石も取れるようになるかもしれないのなら行くのです!こうして私たちは次の目的地をマジカリア城に決めたのでした。

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