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3. 魅力的なのです

3. 魅力的なのです




 私たちはダンジョン攻略をするためにシェルタバード島に到着し、ハーツスターの街に向かっているのです。昨日は野営をして今日中にはたどり着きたいのですね。


 まぁ……地図を忘れるハプニングはありましたけどソフィアの風魔法でなんとかなりましたし、昨日の夕食はロゼッタ様がとても美味しいシチューを作ってくれたので満足なのです。やっぱり人は助け合いが必要なのですね。


 私とフィオナが先頭で歩く。あの魔物を怖がっていたフィオナが今では一番前を歩くなんて立派に成長したのです。


「アリーゼ様?ボクの顔に何かついてる?」


「いえ。立派なのですフィオナ」


「えっ?うっうん。ありがとう」


 照れてるのですか?耳まで真っ赤なのです。かわいいのです!しばらくソフィアの風魔法の地図を頼りに進み森を抜けて視界が開けると、大きな街が見えてきたのでした。やっと到着なのです!


 たどり着いたハーツスターはまるで物語に出てくる古い都のような街並みをしているところでした。どの建物も歴史を感じさせる風格があるです。入り口にはアーチ型の門がありアーチの下には盾の紋章がついているのです。きっとこれがこの島のエンブレムなのでしょうね。街の中心から上に行くほど建物が密集しているようです。


 この街では上の方に住んでいる方が偉い人という事なのでしょうか?街の入り口では特に身分証明などはいらず普通に入れるようなのです。


「ちょっと待ってください。私が一応街に怪しい魔力がないか確認します。風魔法サーチ・ディテクト!」


 ソフィアのこの魔法は風の魔力を使って周囲に異常がないか調べられるものらしいのです。サーチの結果ソフィアの言う限りは異常なしとの事で安心したのです。


「おお!ソフィアの風魔法ってそんなのもできるんだ。凄いね?」


「はい。魔法能力が上がれば探知の範囲も広がりより詳しく異常などが分かるようになるんですけどね。まだ私の技量ではそこまでは。だからご指導お願いいたしますロゼッタ様!」


 そう言われたロゼッタ様は苦笑いしています。まずは街に入り。そしてそのまま宿を探しに歩き始めます。とりあえず今泊まれるところがないと困るのです。


「すみません!ここって部屋空いてたりしますか?」


 ちょうどいい大きさのお店があったので入っていつものようにミルディが代表して聞いてみることにします。すると店主さんらしきおばさまが出てきてくれました。中を見渡す限り、ここは飲食店も兼ねているみたいなのです。


「ん~うちは一部屋に5人から10人で入れるんだけどそれでよかったら大歓迎よ。5人かしら?可愛い子達だねぇ。さぁこっちおいで」


 なんかすごい勢いでミルディが手を引っ張られて、店内に引きずられていきました。豪快な店主のおばさまなのですね。


 部屋に案内されると中は広くベットもありなかなか綺麗なお店でした。ここを拠点にするのです!受付からこの島の地図を貰い、早速どういうダンジョンに行くのか意見を出し合うことにするのです。財宝、未知のアイテムや武器、想像するだけでワクワクするのです!


「ボクは、未開の地に行って見たいなーって思うんだけどどうかな?」


 フィオナは未開の地に興味津々なのです。まだ誰も知らない土地。ロマン溢れるのです!


「私も賛成です。せっかくだし色々と見て周りたいと思いますし」


 ソフィアも未開の地に魅力を感じているみたいなのです。やはり「未開」というワード……魅力的なのです。するとロゼッタ様が不機嫌になり忠告してくるのです。


「バカ者!そんな未開の土地など、危なくて行けるわけないじゃろ!それにどんな危険な魔物がいるかもわからんのじゃぞ!甘くみるでない!」


 怒られるフィオナとソフィア。確かに言われてみればそうなのですよ?それなら安全なところに行った方がいい気がしてきたです。


「まぁまぁそんなに怒らないでよロゼッタ様。やっぱりこことかここがいいんじゃない?初級冒険者におすすめって書いてあるし」


 ミルディが指差している場所を地図で確認するのです!なるほどここからだとすぐそこの距離にあるです!これは好都合なのです!ということでその近くのダンジョンに決定するのでした。

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