盤上遊戯〜賽の目こそ、我が命。負ければ贄、肌は太鼓の皮となる
はに丸
歴史・時代外国歴史
2024年12月12日
公開日
3.8万字
完結済
紀元前六世紀、春秋時代。山西省に晋という国があった。
晋の有力貴族の令息、荀罃(じゅん/おう)は教え子で弟分の士匄(しかい)に問い詰められる。
楚との戦争で虜囚となったとき、なぜ自裁しなかったのか、と。
荀罃は捕虜になる程度の恥辱で自裁しないと言った上で、生け捕りとなったときのことを語りだした。
9年前。虜囚となった荀罃に、楚王は言い放った。
「古来からの取り決めにより、贄とし、汝を祖霊に捧げる。その皮を以て鼓を作り、その血を以て鼓の彩りとしよう。骨は廟に捧げられ、肉は宴に捧げられる」
しかし、しかし
「我が臣がそちらの虜囚になっていることもある。汝を贄にするか、質にするか、遊戯で占おうではないか」
運任せの盤上遊戯で、己の運命を切り開けるか。
※2500年くらい前の人間がひたすら卓ゲーしてる話です。