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紹介No. 3:聖魔法を、あと一回だけ/櫻井金貨

 本エッセイ3回目となる紹介記事では、櫻井金貨さん作の胸キュンいっぱいの王道恋愛ファンタジー『聖魔法を、あと一回だけ』を取り上げます。


 このコラムの最後、------の後は少しネタバレになりますので、作品を読んでいない方は飛ばしていただけると幸いです。


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紹介No. 3


URL:https://www.neopage.com/book/30970400913862700


ジャンル/サブジャンル:異世界恋愛/ロマファン


話数:4話(2024/10/27現在)


文字数:7,944文字(2024/10/27現在)


投稿状態:完結済


セルフレイティング:なし

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 櫻井金貨さんの作品を読んだのは、他サイトですが、これまた胸キュンがあふれている恋愛ファンタジー『皇家の呪いと純白の姫巫女』が初めてでした。それからは他の作品も読んだり、他サイトでも交流したりさせていただいています。その縁でカクヨムにて『聖魔法を、あと一回だけ』にも出会いました。最初に読んだのはこのエッセイの元になった『迷える子羊の読書録』をカクヨムで始める前の2024年8月だったのですが、その後、ネオページでもう1度読む機会があり、この作品の良さを改めて実感しました。


『皇家の呪いと純白の姫巫女』(完結済)

https://kakuyomu.jp/works/16817330667213030417


 それでは恒例の粗筋ですが、櫻井さんの簡潔かつ分かりやすい粗筋以上のものは書けませんでした。


【粗筋】

聖女クラリッサは、長期間聖魔法を使い続けたため、魔力がほぼ枯渇して生命の危機にさらされている。そんな折、彼女の幼馴染である王子イーサンが実母の王妃に毒を盛られ、昏睡状態に陥った。クラリッサは「あと一回だけ」のある決断をする。それでイーサンはどうなったのか。そしてどんな未来が彼らに待ち受けているのだろうか。


*****


 初めて読んだ『皇家の呪いと純白の姫巫女』もそうだったんですが、櫻井さんの作品は「基本ハッピーエンド」とおっしゃる通り、いつも胸キュンがいっぱい詰まっていて読後もハッピーな気分になれます。『聖魔法を、あと一回だけ』ももちろんそうなのですが、途中で切なさが最高潮に達した後にタグの通り、ハッピーエンドが来ます。ずっと溺愛だけだと飽きますが、本作は切なさと幸せのバランスと緩急の付け方が絶妙で最後まで飽きさせません。


 本作は、元々8000字という縛りのある他サイトのコンテストのために書き下ろしたため、その短さになったそうです。でも、もう少し長いお話でじっくりと読ませていただきたくなるお話でした。短編から長編へ話を膨らませることもできそうです。


『聖魔法を、あと一回だけ』は短編ですが、櫻井さんがネオページで公開している恋愛ファンタジー長編には『仮面の王女と精霊王国の最強魔法騎士団長は、不器用な恋をする』があります。故国で虐げられていた王女ブルーベルが豊かな自然と精霊が息づく嫁ぎ先の土地で愛と希望を見つけ、花開いていく物語です。


『仮面の王女と精霊王国の最強魔法騎士団長は、不器用な恋をする』(完結済)

https://www.neopage.com/book/31306970127459700



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↓まだ読んでいない方はネタバレがあるので、飛ばして下さい↓


 第3話の最後が切なさのピークでどうにかならないの?!と思わせたところで最終話の大どんでん返しが来て胸がジーンときました。


 クラリッサの護衛騎士カエンがクラリッサをかっさらって2人のハッピーエンドになるかもと思ったので、イーサンとのハッピーエンドは結構意外でした。でも私は元サヤが好きなので、このハッピーエンドでよかったです。


 ちょっとシチュエーションは違いますが、クラリッサとイーサンがお互いを想うがために途中すれ違ってもハッピーエンドになる点は、オー・ヘンリーの『賢者の贈り物』を彷彿とさせました。


 8000字という字数制限ゆえに詳細な描写は割愛するしかなかったと思いますが、最後まで読んでもっと知りたくなったことが色々ありました。例えば、クラリッサがカエンのために残した『辺境の街シストへ行け』というメモをイーサンがどうやって入手したのか、彼の実母の王妃が成さぬ仲の義息子を王にしたかったのはなぜか、時戻りで彼女は助かったのか、その後どうしたのか、などです。2番目と3番目の疑問はカクヨム版のコメントの返信でお答えいただきましたが、いずれ長編化してその辺りのことやクラリッサとイーサンのその後など、読めると嬉しいです。


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