「ネフェル、どう? もう体調は大丈夫?」
「う、うむ。お陰様でもう大丈夫じゃ。昨日は世話になったな。その方が処方してくれた
私は努めてお母様らしくお返事をしました。少し板についてきたように思います。
「ありがとう! でも、ほら、あの薬は全部ネフェルが作った物だもん。そりゃ効果があるよ。僕は貯蔵庫から持ってきただけだからね」
なんとあのお薬はお母様が作られた物だったのですね。
私は体力や魔力といったものが今一つよく分かりませんが、いただいた薬を飲むと爽やかな清涼感が体中に広がり、心身共にとてもリフレッシュする心地よさを感じていました。
「今も貯蔵庫に行ってこれを見つけたよ。ほら
そういってウィンリルさんは虹色に輝く綺麗な液体が入った小瓶を差し出しました。
見るからに効果がありそうで、私は是非飲んでみたいと思いました。
遠慮なく受け取って飲もうとしましたが、ウィンリルさんが「あ。ちょっと待って。だいぶ年代物だし、悪くなってないか僕が味見するよ」といって薬を一口、口に含まれました。そして舌の上で薬を転がし、その後、嚥下されると、しばらく目を
私は改めて薬をいただこうかと思いましたが、はたと気が付きました。
この小瓶を回し飲みするということはウィンリルさんと間接キスになってしまいます。