「…なぜ?」
俺の腹から聖剣がはえている。
「なぜ?それは、僕が王子で、勇者だからだ」
魔王を伐ち放心していた俺を、王子が後ろから刺したらしい。
「異世界から来た素性不明の男よりも、王子が魔王を倒す方が物語にハクが付くだろう」
剣を引き抜き、王子は高らかに笑った。
魔王と同じ顔で。