日常は、平然と歩き続ける。
どこかでそれが歪んでしまったとしても、壊れはしない。
だって――俺たちが日常を守り抜いたのだから。
◇
白矢を倒した後、覚醒者になった日向が俺を診てくれた。異常はなかったらしく、クタクタに疲れた中で俺たちは家に帰った。
さて、日曜日が終わると何曜日になるでしょうか。
「月曜が近いよぉ……」
そんな事を叫びながら、俺は日常に戻った。本当に疲れた。
「英雄と一緒に登校できるなんて、ぼくは幸せ者だな」
「そっちこそ魔女のくせに」
そんな軽口を叩きながら現在同居中の陽彩と共に通学し、学校に入って別れる。
「おい伶! お前すげぇな!!!」
「俺の魔女様を……!」
「別にあき――魔女はお前のじゃねぇよ!」
俺が教室に入った途端、探索者ファンの我が友人たちは祝福というか罵声というか、色々言ってくれた。
イラードくんの配信が同接数百万を越えていたせいで、俺の姿は全世界に拡散されることとなっていたのである。
――平穏isどこ!?
「……なぁ伶、俺昼休みにお前を尾行してたんだけどさ」
「まず前提からおかしいな?」
「あの怪しい雰囲気のとこで一気に寒気がして教室戻ってきちゃったんだよ。あそこに入っていけるのもすごいけど……なんで弁当をあんなとこで食べてたんだ?」
「そういうのは言わないお約束、だぞっ?」
「男にやられるとキモいな」
「うるせぇ!」
そうして日々は過ぎる。
3学期になり、政府から賞状をもらったりなんやかんやあったり、皆と楽しくデートしたり。
こういうのを一気に語るのは無粋というものだ。
だから、またいつか。
「――今日から2年生、か」
果たして、どんな
未来を知るスキルは持ってない。でも、切り開くことはできる。
さぁ、続けようか。俺たちの人生を――!
【完】