「それ!」
敵が一体ということもあり、ワイドアタックは使わずに攻撃するリカード。
ヘビ達を二撃で倒したリカードの攻撃も、巨大ヘビにはあまり通用しない。
「キシャー!」
必然的に前に飛び出す形になったリカードに巨大ヘビが襲いかかる。
「させない!」
だが、その攻撃はフランツがしっかりと盾で防ぎ、私はそんなフランツをプロテクションで守る。
「くっ!」
それでも多少の攻撃は通ってしまったようで、フランツが小さな声を上げる。
「エアリアルスラッシュ!」
「鉄拳!」
だが、追撃を許さずレイとダイが巨大ヘビを攻撃する。
「バッシュ!」
体勢を立て直したフランツも続けて攻撃する。
少年達の集中攻撃に、巨大ヘビの身体から血が流れ出していた。
強敵ではあるものの、一体なのできちんとフォーメーションを組んで戦えば負ける相手ではない。
そのまま気を抜かずに確実にダメージを重ねていく。
明らかにこちらが優勢だったのだが、巨大ヘビが突然咆哮を上げる。
「キキャーッ!」
巨大ヘビの身体から放出された電撃が、前衛にいたフランツ、リカード、ダイへと襲いかかる。
「うわっと」
「ぐう……」
「があっ!」
リカードはその攻撃をなんとか避け、フランツは盾を使って受け止める。
私のプロテクションもフランツを守るが、それでもその電撃は少なからずフランツを傷つけていた。
そして、攻撃しようとしていたダイはもろに電撃を受けてしまう。
後衛まで吹っ飛ばされてきたダイは、小さく痙攣している。
「エアリアルスラッシュ!」
それでもレイは冷静に風魔法を放ち、巨大ヘビの追撃を防ぐ。
「タカヒロさん! ダイのことを頼みます!」
フランツはそう叫ぶと、果敢に巨大ヘビへと攻撃を仕掛ける。
「ギガテンペスト!」
「ギジャー!」
フランツの放った必殺技に、巨大ヘビの身体に穴が開く。
いくら生命力の高い巨大ヘビといえど、この一撃には耐えられず消滅するのだった。
「やったね!」
リカードが満面の笑みで勝利宣言をする。
フランツとレイも小さくガッツポーズしている。
私はその間に痙攣しているダイに回復魔法をかける。
「う……く……助かったぜ」
ふらふらしているが、なんとか立ち上がったダイが私に礼を言う。
「どういたしまして。じゃあ、みんなのところへ行こうか」
私がそう言って歩き出そうとした瞬間……
「危ねえ!」
鋭いダイの声が響き、ダイによって私は突き飛ばされた。
次の瞬間、ダイの身体は巨大な炎に包まれるのだった。