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第06話 襲撃

 結局、その日はナーシェンが襲撃してくることはなく一日が終わった。


 村の様子はすべてモニターしているとしても、移動した初日に攻撃してくる理由もないか。


 むしろ、それなら移動中に攻撃するほうが良いだろう。


 やはり、しばらくは攻撃を行わずに疲弊するのを待つ形だろうか。


 そんなことを考えていると、突然地響きが起こった。


「おいでなすったか。全員、魔物の襲撃に備えろ!」


 ジョルジュさんが鋭い声でみんなに注意喚起する。


 裏をかいてすぐに攻めてきたということなのだろうか。


 素早く装備を整え、隊列を組んで待ち構えていると、2mほどのヘビのような魔物が複数体現れる。


「気をつけるんじゃ。やつは身体に電気をまとっているぞ」


 メイジさんがみんなに伝える。


 数が多いため、各個撃破する必要がありそうである。


「ここはおいらの出番だね」


 両手に大型のダガーを持ったリカードが敵陣に突っ込む。


「ワイドアタック!」


 振るう短剣がヘビ達を切り裂いていく。


 だが、さすがにそれだけでは片付かない。


「エアリアルスラッシュ!」


「鉄拳!」


「バッシュ!」


 三人が追撃して三体のヘビを倒す。


 今までの戦いの経験やジョルジュさん達との特訓で、みんなも強くなっているようだ。


 しかし数が多いため、ヘビ達の反撃が始まる。


 リカードは持ち前の俊敏さで攻撃を避け、フランツは盾でしっかりと防ぐ。


 ダイが攻撃を避け残ったものの、そこは私がプロテクションの魔法を使って攻撃を防いだ。


「ワイドアタック!」


 リカードが再びヘビ達に向かって範囲攻撃を繰り出すと、先程の攻撃で生命力を失っていたヘビ達は一気に倒れる。


「楽勝だなっ」


 ダイがそう言って勝利宣言をした次の瞬間、倒れていたヘビが一箇所に集まり、4m近いヘビに変化する。


「げっ」


 近くにいたダイに襲いかかるが、すぐにフランツがカバーに入る。


 私もフランツにプロテクションをかけて防御力を高める。


「油断するな!」


 巨大なヘビの攻撃をなんとか盾で防ぎながら、フランツの叱責が飛ぶ。


「エアリアルスラッシュ!」


 フランツと膠着状態に陥っていた巨大ヘビに対し、レイが風の魔法を叩きつける。


 堪らず、後ろへと下がる巨大ヘビ。


 複数の魔物との戦いから、一体の巨大な魔物との戦いへと状況が変化する。


 ちらりとジョルジュさん達のほうを確認すると、あちらには巨大ヘビが数体現れていた。


 こちらの何倍ものヘビを相手に立ち回っていたのだろう。


 この一体くらいは自分達でなんとかしなければ……。

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