「あ、あんたは別に友だちにならなくていいわよ。私より弱いからね!」
とシャーロットが獄寺ちょこを見て言う。
「なっ……!なんですって!」
「こんな子とじゃなく、私とだけ仲良く出来ればいいでしょう?お姉ちゃん。」
上目遣いで美織を見るシャーロット。
「いえ。私にとって、ちょこさんはとっても大切なお友だちなので。私はちょこさんとずっと一緒にいたいです。」
ニコニコしている美織に、唖然とした表情を浮かべたシャーロット。
「こ、この私が友だちになってあげるって言ってるのよ!?他の人なんていいじゃない!」
「お友だちは1人である必要はありませんよね?私にとっては、知り合ったばかりのシャーロットちゃんより、ちょこさんのほうが大切なお友だちです。」
「なんでよ!」
激昂するシャーロットに、はは〜ん、とニヤニヤした表情を浮かべる獄寺ちょこ。
「……あんた、ひょっとして友だちがいないのね?だから美織にこだわるんでしょう?」
「なっ!失礼ね!」
シャーロットは顔を真っ赤にして興奮する。
「単に私の実力に釣り合う人間がいないっていうだけよ!私は弱い人間が嫌いなの!だから友だちにならないっていうだけよ!」
:似たもの同士か
:メスガキとツンデレがいおりんを取り合っとる
:百合の波動を感じる……!
:いおりんはちょこタンが大好きだからな
:まあぽっと出が奪うのは無理だよな
「ちょこさんと縁を切れというのなら、私はシャーロットちゃんとお友だちになるのが難しいです。それでもいいですか?」
「そ、そんな……。」
シャーロットは親指の爪をガシガシと噛んで、イライラし始めた。
「だから、シャーロットちゃん、ちょこさんともお友だちになりましょう?」
「ま、まあ、なりたいって言うのなら?なってあげなくもないわよ。いおりが1番だけど!」
「あたしだってそうよ!別にあんたと友だちになんてなりたくないけど、友だちがいなくてかわいそうだから、なってあげなくもないわよ?」
「なんですって!?」
「なによ、やるっての?」
「爆弾に頼ってるような探索者でしょ?自分自身の力で魔物1体狩れないくせに!」
「あたしのスキルで狩って手に入れた魔物で作った爆弾よ!それはあたしの力ってことでしょうが!」
「まあまあ2人とも、仲良くしましょう?」
いがみあうシャーロットとちょこの間に入って、とりなそうとする美織だったが。
「「ふん!!」」
似たもの同士の2人は、腕組みしながら盛大にそっぽを向いてしまうのであった。
それでも美織と連絡先を交換出来たシャーロットは、トークアプリの画面を見つめて嬉しそうに頬を染めていた。そしてなんだかんだ言いながら、しっかり獄寺ちょことも連絡先を交換するシャーロットだった。
「今日はこのへんにしましょう、いおり。そろそろ帰らないとね。スターフィッシュツリーの卵巣食べ配信もあるんでしょ?」
「そうですね、そうしましょうか。それじゃシャーロットちゃん、また会いましょうね。私たちはここで失礼します。」
「絶対ね!約束よ!」
シャーロットは美織と指切りげんまんをして、嬉しそうに微笑んだ。
シャーロットはその足で、父親のメイソン・オーシャンのもとへと向かった。
今日は企業の依頼で、メイソン・オーシャン率いる探索部隊が深淵に挑む予定なのだ。
「
探索部隊と打ち合わせをしているメイソン・オーシャンに手を振りながら、シャーロットは父親に駆け寄った。
「
「
「
嬉しそうに美織の話をするシャーロット。探索部隊はその間にも、深淵に潜るための準備をすすめていた。
「ドラゴンですか……。このダンジョンに、ほんとにそんなものいるんですかね。」
「ドラゴンの亜種の巨大なトカゲじゃないかっていう話もあるな。」
「深淵だからな。ドラゴンがいてもおかしくはないが、調査に潜った奴らが命からがら逃げ出すのがやっとで、正確な情報がないんだ。今日はその調査もかねて、討伐出来るのであれば討伐、という予定だな。」
討伐隊がいるのは深層であり、そこに後方支援部隊とともに、シャーロットが待機することになっている。万が一逃げ出すことになった際に、深層までであればじゅうぶん戦力になるからだ。深層の魔物は既に討伐してあり、しばらくはリポップすることもない。
後方支援部隊は、深淵にもぐる探索部隊を追いかけるドローンの映像が見られるよう、視聴機器のセッティングを始めていた。先に偵察に向かったドローンの視野に、一瞬黒い影が映って、スッと消えた。
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すみません、遅くなりました……!
本日分になります。
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