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第75話 次回の配信予定

「また急にアンケートが……。ビビッド、なんでこれにしたんですか?」

「吾輩、別に自分で選んでいないのです!吾輩はただ情報をお知らせするのみなのです!」


 ジロリと美織に睨まれて、ビビッドは焦ったように、自分のせいではない!と羽ばたきながら言い訳をした。


【配信アンケート。

 1.配信者からの凸待ち配信。(33%)

 2.アンカ闇鍋配信。(67%)

 アンカ闇鍋配信が選択されました。】


「アンカ闇鍋ですか……。はあ、わかりました。ほんとに一体誰がこのアンケート決めているのかわかりませんが、次の配信内容に悩んでいたのも事実です。」


 美織はそう自分を納得させた。

「それでは次回アンカ闇鍋をしますので、今日は食材を先に決めていきましょう!ダンジョン食材もあるかも知れませんからね!」


 アンカ闇鍋。決められた数字を配信者が指定し、その数値に書き込まれたコメントを安価と呼ぶ。本来の意味はアンカー。


 漢字の安価にしたのは2525生放送からで、元は匿名掲示板で誰かの書き込みに対して書き込みしたい時に、その対象者のレス番号を書いていたのが始まりとされている。


 配信では未来のコメント番号を指定することが通常であり、その未来の番号に指定したい食材をリスナーが書き込んで、その食材を必ず鍋に入れるというのが、アンカ闇鍋の始まりだ。


 探索者の配信でよく行われ、大体は地獄絵図と化す。食材を食べきることは到底不可能とされ、配信者が半泣きで食すさまを楽しむものである。


「食材は5つにしますね。あんまりダンジョン食材ばかりになっても、取りに行くのが大変な可能性もありますし。」


:確かに

:場所を指定してなら、もう少し増やしてもいいけどな

:距離のある場所指定されるとな

:食材取る配信と、食べる配信をわけてもいいけど、本来は一緒にしたほうがぐだらなくはある

:素材の取れる場所が離れてる場合は、わけたほうがぐだらんよ


「はい。場所が離れ過ぎてたら、配信中に取って食べる、が出来ない可能性もありますし。それをふまえての5つです。」


:5つね、了解

:まあ、その中で撃ち抜けばいい話

:なんにしようかなあ

:狙うぞー


 美織がコメント番号を指定する。

「……白菜ですか、割と普通ですね。ありがたいです。食べられるものですね!」

 と美織が喜ぶ。


:紳士やな

:まあ最初はね

:食べられるものも入れないとね

:悪くないな


 続いてコメント番号を指定し、

「うっ……超激辛ニラキムチ、ですか。辛いもの苦手なんですよねえ……。でもキムチ鍋って美味しいって言いますから、意外とアリなのかも……?白菜とも合いますし。」


 そう言いつつ、美織は次のコメント番号を指定した。

「カ……カステラ……!?」


:きちゃー!www

:一気に闇鍋らしくなって参りましたwww

:甘いものはキツイwww

:いや甘い物と辛い物で意外と美味いかもしれんw


 コメント欄はおお喜びである。続いてコメントが指定された。

「ブ……ブラックチョコレート……?」


:甘くないとはいえ、チョコとキムチはキツイwww

:既に食べたくないwww

:地獄鍋www

:既に吐きそうw


「うう……最後のひとつです。」

 美織がコメント番号を指定すると、

「マンドラゴラ……?」

 最後の食材はマンドラゴラと決まった。


:お、鍋にぴったりやん

:うまいぞ

:調理次第で味と食感が変わると言われているが、鍋に入れるなら高級なゴボウって感じらしい

:マンドラゴラってことは、木更津ダンジョンの深層か

:マンドラゴラ自体は攻撃力低いけど、場所が面倒なのよな

:見分けるのも大変だしな


「わかりました!それでは次回の放送では、今決めた食材でアンカ闇鍋をします!今日は残りの時間で、予定通りちょこさんの新しいスキルのお試しをしますね!」


 そう言って、本来やると宣言していた、獄寺ちょこのスキルテストを開始した。

 まずは素材なしで通常爆弾を作ってみる。


「うっ……。結構スタミナ奪われるわね。でも、未作成の欄がひとつ埋まったわ。」

「最初はどうしてもそうなんでしょうね。」


 続いて素材を使って誘引香を仕込んだ爆弾を作成した。スキルで作った爆弾は、基本威力も効果も変わらないが、スキル持ちのちょこが使えば効果の増す物もある。


「うん、未作成の欄がちゃんと埋まったわ。やっぱり素材があったほうがスタミナとMPがあんまり減らないから楽ね。同じ物を50回作ると経験値が貰えるって書いてあるわ。」


:レベルが上がれば、作れる爆弾増えるぞ

:スタミナとMPの消費も減るらしいしな

:ガンガン作っていこう

:素材集めマラソン配信もありじゃね


「確かに未作成が埋まるまでは、素材集めマラソンをするのもひとつの手ですね。」

「付き合ってくれる?」

「もちろんです。」


 素材集めマラソン配信の約束をし、その日の配信は終了した。美織は配信終了後、アンカ闇鍋配信に呼ぶゲストに連絡をした。


────────────────────


アンケート結果はアルファポリスとカクヨムの合算です。


闇鍋に入れるものはコメントから採用しました!

やって欲しい配信などもコメントお待ちしてます。


この作品は読者参加型です。

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