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第78話 女神の息吹とコラボの提案

 鍋をつつきながら、

「そういえば、剣呑寺さんて、他のダンVtuberとあんまりコラボしないんだね?」

 とアーリー・ダブクロスが聞いてくる。


「ちょこさんとは定期的にコラボしてますよ?」

「ああ、うん、他の人とさ。個人勢だから事務所コラボやギルドコラボがないんだろうけどさ。」

 美織の返事に、食べた物を飲み込んで、アーリー・ダブクロスが答える。


「あ、私女神の息吹に入りましたよ?」

「そうなの!?」

 それを聞いたギルド閃光の剣のメンバーが目を丸くする。


「なんでうちにしなかったの〜?」

 満天星きらりが残念そうに言う。

「ルカルカさんにはお世話になっていたので、閃光の剣加入も一応考えたんですが、やっぱり中学の頃からお世話になっていたので、入るなら女神の息吹ってもともと思っていましたし……。」


「そっか〜、残念……。」

 満天星きらりが本当に残念そうに言う。

「うちとのコラボにしたってことは、女神の息吹にあんまり知り合いいないの?」

 灰崎イチカが首を傾げつつ言う。


「そうですね、中学の頃に関わった人たちは内勤の方ばかりで、あとはギルマスの阿平さん以外だと、女性の知り合いが少なくて。」


「あーね。」

 と灰崎イチカがうなずく。

「そもそも女神の息吹は、20歳前後の子が少ないよね。大人〜って感じ。配信者もうちと比べると少ないし。」

 似鳥ゆえが独り言のようにそう言う。


「歴が長いしね。でも、1人いるじゃん?なんか男の娘みたいな配信者。」

「お会いしたことないですね。」

 鳩胸みかりの言葉に美織が反応する。


「結構人気みたいだよ?なんかやばいファンだとユニコーンとか、ネタ枠好きのリスナーに囲われてる感じ?」

 ルカルカがそう教えてくれる。


「男性にユニコーン……ですか?」

「女の子より可愛いんだってさ〜。うちのリスナーが言ってたよ。」

 美織の疑問に鳩胸みかりがそう言う。


「見てる……。あれは性癖にささる……。」

 と瀬戸内ミリーがニヤリとしながら言う。

「ミリーさんが好きってことは、ずいぶんとコアなファン層を掴んでるんですね。」

 似鳥ゆえが驚いたように言う。


「変な配信や動画ばっか見てるもんねえ、こいつ。」

 と、アーリー・ダブクロスが笑った。


「剣呑寺さんは、また深層か深淵に潜るの?いいなあ、私も早く行かれるようになりたいなあ。」

 とルカルカが眉を下げる。


「ルカルカはアイドル配信でしょ?そんな危険なとこ行って、万が一があったら駄目だから、マネージャーの許可も降りないっしょ。──ねえ?」


 そう言って満天星きらりがマネージャーを振り返ると、大きく手でバツ!とジェスチャーで反応した。

「ほらね。」

 と満天星きらりが笑う。


 配信者の多い閃光の剣は、配信者事務所のように数名のマネージャーを置いている。バツのジェスチャーをしたのは、満天星きらりとルカルカの担当マネージャーだ。


「ちぇ〜。」

 ルカルカはそう言って口をとがらせる。

「私だって探索者なんだよ〜。」

 ルカルカは納得がいかなそうだ。


「実力に見合わないところは行かない。これ生き残る鉄則。」

 瀬戸内ミリーが淡々とそう言った。


「剣呑寺さんは、次は何の配信をするの?もしよかったらさ、例の女神の息吹の配信者の人も加えて、交流コラボしない?」

 嬉しそうにルカルカがそう提案する。


「なら私も参加する。推しに会ってみたい。あそこのリスナーたちと遊びたい。コメントがおもしろい。」

 と瀬戸内ミリーが言った。


「はあ……。阿平さんを通じて、聞いてはみますが。その方の配信スタイルもわからないですし、配信内容に悩みますね。お2人はやってみたい配信とかありますか?」


「ん〜。雑談しながら出来るのがいいかなって思うけど……。実力もわからないし、ダンジョンに潜るのはその次でいいかなって。」

 とルカルカが言う。


「私もそれでいい。リスナーと一緒にあの子をいじりたい。」

 変な息をフンス!フンス!と漏らしながら瀬戸内ミリーが言う。


「そうですねえ……。何がいいでしょう。」

 美織が顎に拳をつけて思案していると、配信画面に、


【配信アンケート。

 1.釣り配信。

 2.ボイス収録配信。】


 美織が何も打ち込んでいないにも関わらずそんなアンケートが突然表示された。


「え?釣り?釣りってどっちの……でしょうか?ボイス収録って……え?」

「へえ!?面白そう!私はやったことないけど、ダンVtuberなら、みんな1度はやってるよね、ボイス収録。」


「わ、私はしたことがなくて……。」

 素顔を出すのが恥ずかしいから、が理由でやっている美織としては、一般的なダンVtuberがやっているような、歌を歌ったりダンスを披露したりが出来る気がしない。


 ましてやボイス収録など。ボイス収録ってあれよね?ちょっと恥ずかしいセリフを収録して、販売したり無料配布したりする……、は、恥ずかしい!と美織は内心混乱した。


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