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第97話 女だらけのぬるぬる相撲

 今日は美織と獄寺ちょこが、揃ってコラボ企画に呼ばれていた。リリーシェ・ベルマイン主催、題してリチェラー。


 リチェロレッテではないところが、リリーシェ・ベルマインがリリーシェ・ベルマインたるゆえんと言える。


 リリーシェ・ベルマインを奪い合い、20人の女性Vtuber、女性ダンVtuberが戦うという、百合を尊く眺めていたいリスナーと、キャットファイト好きのリスナーに、ニッチな人気のある、今回で第5回目を迎える企画である。


 条件は3Dモデルを持っていることで、女同士のぬるぬる大相撲などが人気である。

 今は生け花でアピール対決の真っ最中であった。


 リリーシェ・ベルマインへの思いをイメージして、それぞれが生け花を披露し、選ばれなかった2名が脱落となる。


 あくまでもリチェラー。

 選考基準はリリーシェ・ベルマインが気にいるか気に入らないかだけなので、上手い下手はあまり問題ではない。


 獄寺ちょこはオレンジの花を中心に、派手な生け花を披露し、美織は白百合を使ってお手本のような生け花を披露して、双方次のステージへと進出した。


 またなぜか1位に選ばれた瀬戸内ミリーが、2人っきりのアピールタイムという茶番で、リリーシェ・ベルマインとコントのような掛け合いを披露し、リスナーが大量の草をはやしていた。


「チョコ、食べさせてくれるの?」

 リリーシェ・ベルマインが甘い声を出せば。

「ううん、私が食べる……。」

「うん、アピールはどうした?」


:チョコに夢中www

:ベルマインさまのほうを少しは見ようかw

:なんでミリーを選んじゃったんだ、ベルマインさまw

:おい、めっちゃ食っとるwww


「チョコが食べられるって聞いたから頑張った……。美味しい……。」

「私のこと、好きだから参加してくれたんだよね?」


「そういうていでいいって聞いてる。」

「じゃあそういうていの演技しようか?イチャイチャするとこだから、今。」


:リスナーもわかってるけど、内部事情を暴露すなwww

:参加する気あるのかw

:一応ここ見せ場なんだけどなw


「うん、もぐもぐもぐもぐ、好ひ、らよ。チョコの次くらいに……。」

「──いったん食べるのやめにしないか?」


:スタッフがおかわりを運んできたwww

:1人で食べきったwww

:色気より食い気w

:2人で甘いセリフを言い合って


「ベルマインさま、甘いセリフ欲しいってリクエストきてる。」

「じゃあ交互に言おうか。」


「任せる。」

「任された!って、これアピールタイムだからね?私がアピールしてどうすんの。」


:うちの子がすいません

:ミリー、仕事してw

:たまにはダンVtuberらしいことしようw


 と、瀬戸内ミリーのリスナーらしき人たちのコメントで、フォローやら叱咤が飛び交っている。


「ベルマインさまのを参考にして、頑張る。」

「わかった。まずは私からだな。……一生私のそばにいなよ。君に拒否権はないから。」


 リリーシェ・ベルマインの甘いセリフに、参加女性たちのマジトーンの悲鳴が漏れる。

 コラボした女性をことごとく百合に落とすと噂されるだけあって、リアルにこれを聞きに参加している女性もいるのだった。


「一生チョコレート貢いで。ベルマインさまに拒否権ないから。」

「甘いセリフどうした!?私のを参考にした割に殺伐としてるな!?」


 終始リリーシェ・ベルマインがツッコミに回ることになり、瀬戸内ミリーのアピールタイムは終わった。


「私に甘いセリフが吐けると思ったら、大間違い……。」

 とドヤる瀬戸内ミリーに、他の女性陣も苦笑するしかなかった。


 続いてお待ちかねの、女だらけのぬるぬる相撲が始まった。ローションのせいで、ダンVtuberといえども、力任せでは勝てないことで、なかなか勝ち進めないという面白さがある、筈だったのだが。


 決勝に残ったのは体幹のいい美織と、移動速度強化で、転ぶ前に体勢を即座に立て直せる獄寺ちょこ、という対決になった。


 手押し相撲でお互いに押し合い、様子をうかがいつつ相手を転ばせようとしていたが、隙をついて獄寺ちょこが美織を転ばせた。


 美織が勝つものと思っていたリスナーたちは大盛りあがりで、かつアピールタイムで、ドッキリコラボの時のようなアップアップぶりを披露した獄寺ちょこは、1人本気なんじゃ?wwwとリスナーたちを笑わせていた。


 最終的に獄寺ちょこが選ばれて、リチェラーは終了した。美織の自宅に集まった2人は、コラボのお疲れ様配信をしていた。


「疲れた……。」

「でも楽しかったですね!ちょこさんおめでとうございました!」

「恥ずかしかったよぉ〜……。」


 選ばれた最後の1人は毎回リリーシェ・ベルマインから頬にキスされることになっており、キスされるまで散々抵抗したちょこに、配信は大盛りあがりで終了していた。


「私たちも何か企画配信をやりたいですね。コラボでもいいですし……。ちょこさん何がやりたいですか?」

「そうね……。」


 そう話していた時だった。

 配信画面に、


【配信アンケート。

 1.獄寺ちょことホラーゲーム配信。

 2.初期の配信を見返す配信。】


 美織が何も打ち込んでいないにも関わらずそんなアンケートが突然表示された。


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