◇久方ぶりの小坂一樹視点
ナレーションの声聞くのも久しぶりだなぁ。五月と関わりだして以来、度々聞く様になったナレーションの声。
最初、ナレーションの声が聞こえてきた際、そういうものがいることさえ知らなかったので、目を奪われた。いや、耳を奪われた。
大晦日。今年は色々とあったが、来年はいいことありますことを。
そして来年は五月と付き合いたい。いい関係を築きたい。そう願っている。
にしても今日は珍しく平穏な朝だ。雲一つない天気で草木が花笛を吹き、風が囀っている。
雪は積もり、雪の精と鳥羽族が飛び回っていた。
それに体調も良好。偏頭痛起きていない。
「あっ、おはようございますっす!」
悲報、平穏な一日終了。
「ゲッ、田中……」
「ゲッってなんですっか! まるで僕に会いたくなかったみたいな。それはそうと寝取り具合のあるカップルを見かけなかったすか?」
大晦日でも田中はブレずに寝取り魔やってるなぁ。来年もそうなのだろうか?
嫌だなぁ。寝取り癖さえなんとかすればマトモなのに。
「仕方ないからそこのクソガキを犯すっす!」
「はっ?」
「自分、ショタもイケる口ます!」
当たり前にショタって言うんじゃねぇぇぇ!
ちぃっ、田中が迷いなく可愛げある少年に向かっていく。マズイ、雰囲気的にもガチなやつだ!
「一秒で服を剥ぎ取り、二秒で結合。三秒で果てさせてやるっすゥゥゥ!」
「ギャァァァァァ!?」
少年の声が住宅街にこだまする。
やめろぉぉぉ! この世界が謎の圧力で消させてしまうぞ! 止めなければ(使命感)
このあと田中を羽交いしめにしてその隙に少年を逃したり、てんやわんやな大晦日だった。