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第二十四話

食堂では男子が珍しいからか、他の女生徒達から視線を集めながらマヨオムライスを食べた。

ダリアは司の前で豪快に骨付き肉を頬張る。

ちなみにマヨオムライスを見たダリアの感想は油っこそうだった。

骨付きにくを豪快に貪ってる女子にこんなこと言われるなんて、なんだか心外だと思ったが、先輩なので何も言わないでおいた。


「さぁ!司君ご飯も食べて腹ごしらえもしたし、今からアタシと訓練しよう!先週も言ったけどアタシの訓練は厳しいぞ!ちゃんと着いてくるように!」


「はい!」

今日一番の大声で返事をする。


「声が小さーい!」


「はぁぁぁぁぁぁい!」


「よろしい!それではまずは司っちの基礎能力を見たいから」


何をさせられるのかと司はゴクリと唾を飲む。


「学園内走ろっか!」


「はぁぁぁぁぁぁい!」

学園内を走る?

このだだっ広い学園のどこからどこまでの地点を走ると言うのだろうか。

司はドキドキしながら次の指示を待つ。


「何をモタモタしてるんだ!ほら走るぞー!」


まさかただ闇雲にこのだだっ広い学園内を走らせるつもりだろうか。

いや、そんな効率も何もないようなこと・・・。

ダリア先輩ならありえるのか?

そんなこと許されていいのか?


「きょ、教官!どこまで走ればいいのでしょうかぁぁぁぁ!」


「うるさーい!とりあえず走れ!!」

ダリアは司の尻を軽く蹴る。


尻を蹴られた司は「ひぃーん!」と声を上げながら、学園を走り始める。


どのくらい走っただろう。

てか学園広すぎない?

結構な距離走ったけど、まだ一周も走ってないんだけど?

少し疲れてきたのでダリアの方へ視線を向けるとダリアは汗粒一つ滴っていない。

あっ、これやばいやつだ。


今日動けなくなるまで走らされるやつだ。

この辺でわざと転んで、もう限界って言った方がいいかもしれない。


司はわざと足をもつれさせて転ぶ。


「どうした!司っち!あっ、ちがう。貴様こんなものかー!走れ走れ!」

一瞬素のダリアが出ていたが、咄嗟に切り替える。


「教官!もう限界であります!」


「えっ?本当に?じゃなかった。馬鹿野郎!」

ダリアは地面に手を着き、司の顔目掛けて回し蹴りを打ち込む。


「へぶぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」

司はダリアの華麗な蹴りを顔面でモロに受けてしまい何が起こったのかわからないまま3メートルくらい吹っ飛ばされる。

最後に見えた光景は紫色の挑発的な布?

一瞬のことで定かではないが、そう紫色のヒラヒラスケスケの布だ。

地面に寝そべりながらあれはなんだったのかを考えていたら、ダリアが寝そべっている司を跨ぐように立つ。

司は蹴られた頬を手で摩りながら、目線を上げるとそこには絶景が広がる


「俺が見た景色はここにあったんだ。あぁ、絶景かな、絶景かな。」

司は紫色の挑発的な布の正体を知る。


「ごめーん!手加減したつもりだったんだけど、めちゃくちゃ綺麗に入っちゃったぁ」

ダリアは慌てた様子で司に謝り、立ち上がるために手を差し出す。


「いえ、俺こそ甘えたこと行ってすいませんでした!走ります!」

司はそんなことどうでもよくなるくらいの絶景を見せてもらっているので、なんでもよかった。

立ち上がって、ランニングに戻る。


なんとか学園を一周したのは走り始めて2時間後のことだった。

胃の中でマヨオムライスが暴れて返ってきそう。

てか、走るなら食事をする前に教えておいて欲しかったぜ・・・。


「よーし!よく走り切った!少し休憩してから実践訓練に入る!」

ダリアはそういって汗を拭う。

その後グビグビと水筒から豪快に水を飲む。


なんか、ダリア先輩って奔放だよな。

所々に感じる野生味に少しエロスを感じる。


「司っちも水飲んどきなよ!」

先ほど豪快に飲んでいた水筒を差し出す。


「えっ?うぇっ?飲んでもいいんですかっ?」

手渡された水筒の飲み口とダリアを交互に見る。


「体を動かした後はちゃんと水飲まないと倒れちゃうぞ!」

ダリア先輩は別に何も感じていないようだ。

自分だけ意識してるのは格好悪いので、もらった水をグビグビと飲む。


「それにしても司っち学園一周よく走り切ったね。都会育ちでここまで走れる人なかなかいないよ」


「あぁ、俺キョウトで育ってなくて中学までど田舎で過ごしてきたんで、山とか駆け回ってたんすよね」


「へぇ、良いなぁ。アタシ生まれてからずっとキョウトだからそういうの憧れるなぁ」


「ダリア先輩生徒会室でもずっと踊ってますもんね。体動かすの好きなんですか?」


「うん!アタシ、体動かしてるの好きなんだよ。小さい時はさ陰陽寮うらのつかさのみんなで追いかけっことかしてたけど、最近はもうみんなしてくれないしさ。みんな大人になったんだよね。さてと、休憩終わり!今から実践訓練します!」


「はい!」


「声が小さい!」


「はぁぁぁぁぁぁい!」


「実践訓練はアタシとの組み手だよ。もしも一本でも取れたら司っちの勝ち!司っちは能力使ってもいいし」


「えっ、組み手っすか・・・。」

司はついさっきガッツリと蹴りを喰らっている。

実力差があるのは間違いない。

絶対傷だらけになるだろとちょっとゲンナリする。


「ふふふ、分かってるって司っち。やる気が起きるようにちゃんと考えてきたんだから!」


「本当っすか?さっき蹴りくらった身からしたら、全然やる気起きないっすけど。だって3メートルくらい吹っ飛びましたよ?俺」


「もー仕方ないなー。なら司っちがアタシから一本取ったら、1個だけなーんでも言うこと聞いてあげる」


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