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安定の影

毎朝、同じ時刻に目を覚まし

揺れる電車に揺られ、また同じ街に

見慣れたビル、見慣れた顔

それが私の世界だと思っていた


定められた時間、決められた場所で

私は役に立ち、また歩き出す

何も大きなことは望まない

ただ、ここにいることで満たされる


けれど、心の奥でふと思う

もし、あの自由を選んだら

違う世界が広がっていたのだろうか

そして、何かが変わっていたのだろうか


夜、ふと立ち止まり、空を見上げる

自由に生きる人々の姿が

なぜか、輝いて見える

だが、その輝きに近づける気がしない


安定という名の鎖に繋がれ

私はまだ、今日も歩き続ける

でも時々、心のどこかで

自由を夢見ている自分がいる


それでも、私は知っている

安定の中で見つけた意味がある

だからこそ、選んだこの道を

疑うことなく、歩みを続ける


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