目次
ブックマーク
応援する
いいね!
コメント
シェア
通報

「無音の自由」

通勤は消えた

満員電車の息苦しさも、上司の視線も

自由になったはずだった


けれど、私の声は

画面の中だけで反響して

誰の鼓膜にも届かない


キーボードの音が支配する部屋

スタンプ一つで会話は終わり

既読のままのメッセージは

無言の壁へと吸い込まれる


「私はここにいる」

そう打ち込んでも

誰の温度も、存在も

感じられない


見えない繋がりに縛られて

自由なはずのこの場所で

私は、孤独を手に入れた

この作品に、最初のコメントを書いてみませんか?