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魔法少女おばあちゃん
魔法少女おばあちゃん
柚木ゆきこ
異世界ファンタジー冒険・バトル
2025年02月04日
公開日
2.4万字
連載中
**6/2より改稿した作品を投稿します** 【異世界×魔法少女×おばあちゃん】 七十八歳のおばあちゃんが……魔法少女になって異世界を救う?! 78歳で亡くなった元気なおばあちゃん・ミヤ。 目覚めると、そこは神々の住まう不思議な世界だった。 そんな彼女の前に現れたのは、かつての親友・ハルちゃん。 しかし何故か、姿は小学生!? そして自分を神だと名乗り出した!! 「ねえミヤちゃん、私の仕事、手伝ってくれない?」 「いいわよ〜」 そんな軽いノリで引き受けたら、気がつけば美しい16歳の侯爵令嬢に転生し……!? 魔法少女アニメに影響されまくったミヤが、異世界で「賢者」として世界を救う旅へ――! 少年勇者・無表情侍女・癒し系ショタ……クセの強い仲間たちと共に、のんびり楽しく、異世界を救います。 異世界×魔法少女×おばあちゃん! これは、"年齢"を超えて輝く「もうひとつの青春譚」。

第1話 小学校時代の大親友がいるのですけど?

 ふと声が聞こえたような気がして目を開ける。


 あれ、ここはどこかしら? と私は思った。それもそのはず。見覚えのある病室ではなく、周囲は闇に呑まれている。唯一あるものといえば、白い扉と自分が寝ているベッドだけ。なぜこんな場所にいるのだろうか……と首を傾げた。


 ――藤原みやび、七十八歳。


 二十代でお見合い結婚し、娘二人と息子一人を育て上げた後、長女の家族と同居して暮らしていた。

 夫は十年前に亡くなっている。お互いお見合いなので、恋愛感情と言うよりは情が強かったと思う。けれどもやはり彼が亡くなった時には、ぽっかりと心に穴が空いた時期はあった。


 それを埋めてくれたのが、娘息子と孫達だ。夫が亡くなった後も新たな命が誕生。私は最終的に孫七人に囲まれ、心穏やかに暮らしていた。長女夫婦が共働きという事もあり、家事は私の担当。午前中は家事をし、午後は孫が帰ってくるまで趣味の裁縫やテレビを見て……孫が帰ってきたら、遊んだり宿題をしたり。

 今思えば、私は充実した日々を送っていた。


 けれども今年の冬、私は流行病に罹った上、それが重症化してしまい病院に入院する事となった。入院中も子ども達や孫達が代わる代わるお見舞いに来てくれ、手紙や絵などを沢山もらったのだけれど……。


 そこまで思い出して、ふと自分の手が目に入る。私はその手に違和感を感じた。


 手が、綺麗。そして皺がない。


 どういう事だろうか、と首を傾げていると、目の前にある白い扉がギギギ、と音を立てて開いた。


 『あ、ミヤちゃん。起きた〜?』


 私は聞き覚えのあるその声に、耳を疑う。


 「えっ?」


 そして入ってきた人の顔を見て、目を丸くした。だって、姿をした彼女がそこにいたのだから。


「あなた……ハル……ちゃん……?」


 小学生の頃の大親友であるハルちゃんが……姿で現れたのだから。

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