俺は、檸檬と久しぶりに会った。檸檬は、まだ処女の香りがした。
「次、決勝戦だね。」
「あぁ。」
俺は、檸檬の大きな胸に目が奪われた。洋は、樹里を抱いてから自分が狂っていると思っていた。
「うちで映画でも観ない?」
「良いよ〜。」
と檸檬は、軽く了解した。
その頃、麻衣子と治がセックスをしていた。
治は、引きこもりで留年が決定した。麻衣子は、光にレイプされて自暴自棄になっていた。その光も通り魔に刺されてアッサリ死んだ。麻衣子は、何を憎べば恨めば良いのか分からなくなっていた。そんな時に治を思い出した。わたしより悲惨で惨めな人間がいる。そう考えると気持ちが軽くなった。そうだ治に会いに行こう。
豊が、麻衣子を心配していた。豊に取っては可愛い妹だ。
「麻衣子、最近どうした?」
「何が?」
「何がってお前最近おかしいぞ。」
「別にお兄ちゃんには、関係ないじゃない。」
「金髪になったりスキンヘッドになったり。医学部に進学するんだろ?」
「医学部。そんなのどうでも良いや。」
「おい!」
本格的に、おかしい。ずっと医者になる事が夢だったのに。
「お兄ちゃんは、エリートコースからはみ出ないようにね。気をつけてね。特に女には。」
こいつ知ってるのか?俺がアイドルの太田恵とこっそり付き合ってる事。
麻衣子は、カツラを被って出掛けてしまった。
洋は、檸檬とセックスする事だけで頭の中がいっぱいだった。映画の内容に集中出来ない。
「洋ちゃんどうしたの?」
「ん?何が?」
「考え事としてるみたいだけど。わたしそろそろ帰るね。予備校の時間だし。」
「うん。」
さっさと檸檬は帰ってしまった。
麻衣子は、治の家を訪ねた。
「石黒やないか?」と治は出て来た。
太陽の光がやけに眩しげにしてる。部屋に案内された。
「ねぇ、セックスしない?」
「は?何やねん?」
豊は、恵に電話した。
「もしもし豊どうしたの?」
「ちょっと恵の声聞きたくなってな。」
麻衣子の事を相談した。
「妹、想いだね!」
「まぁな。」
恵は、仕事だからと一方的に電話を切った。
治と麻衣子は寝た。
麻衣子は、そそくさと帰ってしまった。
「何やねん、あいつ。」
と治は裸のまま舌打ちした。
こうして、恋夏は過ぎて行った。
みんな上手くいく恋ばかりでは無い。
一方的な恋。利用する恋。片想い。恋とはすれ違うと上手くいかない。
妙子と伸二は、例外だ。
本気の愛が見えないのが十代の恋。一番危うくてピュアな時代。
とても傷つきやすくてイライラしてムカムカする青い時代なのだ。