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第26話 龍神教

 私たちの背筋が凍るのを感じる。


 白龍、その伝説に出てきた名前が出るとは何事だ。


 白龍は神聖な存在としているのに何をほざいているんだ?


 そう思っているとリズの体が震えていることに気づく。


 「リズ、どうしたの?」


 私が聞くと震えた声で言う。


 「なんで……ここに龍神教がいるの……」


 龍神教という言葉に私は馴染みがない。


 するとレズリタが小声で教えてくれる。


 「龍神教は龍を信仰し、各地で犯罪行為を起こしてる奴らさ……各国から危険視されている集団だよ」


 龍神教......聞けば聞くほど恐しい奴らだ。


 するとエリックがにヨルフ向けて大声をあげる。


 「お前らの目的はなんだ!」


 すると青年は不機嫌になり首を捻る。


 「君たちさぁ? さっきから僕に対しての礼儀が足りていないんじゃないの? まあ僕は寛大な心を持ってるから? 教えてあげてもいいけど」


 傲慢な口調にいらつきつつ私はヨルフを睨みつける。


 「僕の目的は平和な世界を作る事だよ。白龍はそれを望んでいるからね、君らも僕の素晴らしさに感謝するべきじゃないかな?」


 そう言った後ヨルフの顔からは狂気的な笑いが止まらない。


 その言葉を聞いたエリックは飛び出し大剣をヨルフに振り下ろす。


 しかしヨルフは剣を避けた。


 いや避けたんじゃない、当たっていなかったのだ。


 「どういうことだ!?」


 エリックが驚愕しながら後ずさる。


 「君ら弱すぎないかい?  よく冒険者なんてやっているなあ?」


 私は何がどうなっているのかわからなかった。


 するとリズが剣を握りしめ前に踏み出す。


 「許せないよ……」


 そしてリズは瞬間移動するかのようにヨルフに突進し突きを放つ。


 しかしそれでも当たらない。


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