目次
ブックマーク
応援する
7
コメント
シェア
通報

第24話 拒絶の森の外へ

 最後の竜種ドレイクは直ぐには見つからなかった。さらに数日が経っても見つからないので、思い切って【拒絶の森】の外へ出ることにした。戦わなくて済むなら戦わない方が楽だからね! そんな訳で私は森の外へ出ようと歩きだすと、突風が吹いて私は前へ進むことが出来なくなった。


『アリス様!』

「判ってるよ。【風竜ウインドドレイク】が来たみたいね。最後の戦いになるから一緒ひ頑張ってね」

『お任せください』


 突然風の刃が私の首元に飛んでくる未来が視えたので、すぐさま回避するともの凄い勢いで巨大な風刃のが突っ込んできた。


『ビュワッ!』

「おっと!」


 判っていたとはいえ、凄まじい速度の攻撃だったのでギリギリ回避することができた。


「いくら〚未来視〛で攻撃がくるのが視えても、避けれないと意味はないね。意外な弱点が判ったね……」

『アリス様、私が〚未来視〛を使います。アリス様は〚身体強化〛を使ってください』

「うん、頼むね」


 役目を分担して態勢を整えようとすると、間を置かずに刃のような翼で切り裂いてくる未来が視えた。連続攻撃を警戒して空ではなく、地面に伏せるように躱すと、風竜ウインドドレイクは身体に何かを纏ったように見えた瞬間、私の視界から完全に消えたの。


『アリス様、上から尻尾攻撃です』

「間に合わない!〚水壁ウォーターウォール〛」


 躱せないと思ったので、全身を水で囲んで衝撃を和らげることにした。


『バシャーーン』

「あっぐっ……痛っ……」


 並列思考セレフィムの警告がなければ一撃で死んでいた。他の竜種ドレイクと違い厳しい戦いになると覚悟した。


「うっ……、あの移動速度に風を操られると、〚未来視〛で予測ができても身体が反応できない、この場から逃げようにも追い付かれるから、何とかするしかないけど、なんの策も思いつかないや……」


 絶望的な状況に悲観してると並列思考セラフィムが私に話しかけてきた。


『アリス様、〘天才〙が風竜ウインドドレイクの風を纏った現象を理解した結果。新たなスキル〘光纏〙を習得しました』


 こんな状況でも並列思考セラフィムは〘天才〙とリンクして勝利を模索してくれていた。私は新たなスキル〘光纏〙を鑑定する。


〘光纏〙その身に光を纏って光速移動することが可能となる。例え神であってもその動きを認識することはできない神話級スキル。


 相手の速さに対応できずに苦戦を強いられていたけど、誰にも認識されない速さを手に入れた私は〘光纏〙を唱えて光を纏う。


「さぁ、ここから反撃開始だよ!〚光纏〛!」


 全身に光が纏わり着いたのを確認すると、私は風竜ウインドドレイクに対して双剣で斬りかかる。その圧倒的なスピードは完全に相手が止まったよう見えた。


 私は動かない風竜ウインドドレイクを、命が尽きるまで双剣で斬り続けと、断末魔をあげるとともに絶命したのだった。


「キィシャァア……」


 そう私が神話級スキルの〘光纏〙を発動させた時点で、この勝敗は決まっていた。


「ふぅ~、並列思考セラフィムと〘天才〙のおかげで勝てたよ。さぁ、未知の世界へ歩みだすよ!」

『はい、サポートはお任せください』


 最後の竜種ドレイクを倒した事で、【拒絶の森】から出て行くことを阻むものはなくなったので、私はゆっくり歩きながら森の外にある世界へと踏み出して行ったの。



この作品に、最初のコメントを書いてみませんか?