遠目にポロ村が見えたことで、私達の足取りが軽くなった。
あと少しで到着だというのに魔物の気配を感じる。
急いではいるんだけど、目の前の経験値を無視する訳にはいかない。そんな訳で、ゼシカの経験値になってもらうために、狼の群を討伐することにした。
「ゼシカ、狼が6体だけど全て任せるよ」
「はい、お任せ下さい!」
私はゼシカのサポートで、指先から魔法を発動させて動きを止める。早くポロ村へ行きたかったので少しズルをすると、ゼシカは安心しながら1体ずつ魔法を駆使して倒していく。
「〚
『ザシュッ』
「キャン」
「〚
『バシュッ』
「キャウン」
次々と狼達を倒してアッサリと戦闘終了。
「はぁっ、はぁ~、アリス様やりましたよ!」
「うん、頑張ったね。さぁ、町へ行くよ〜」
「はい!」
戦闘後は、ゼシカが狼達の毛皮と牙を回収したところで、再び町を目指したの。その後は、魔物に襲われることもなく順調に進んでいくと、石の壁に囲まれたポロ村に到着することができたの。
村へ入るには門で入村の審査が必要みたいなので、今は審査を待つ列に並んでるの。待ってる間に入村審査の内容等をゼシカに聞くことにした。
「ねぇ、入村審査ってどんなことをするの?」
「えっと、身分証明書があれば無料で入村することが出来ます。この冒険者ギルドのギルドカードは身分証明書にもなるんですよ」
「おっ、そのカード良いね。それで、身分証明書がない場合はどうなるの?」
私は当然そんなカードは持ってないので、ない場合の入村方法を確認する。
「ない場合は入村税として銀貨5枚を徴収されて、入村証を渡されます。半年間は何度でも入村証を見せれば入村できますね」
「参ったな……、お金なんて持ってないや」
「えっ……、私も持ってません……」
私もゼシカも身銭を持ち合わせて居なかった。このままだと入村できないと困ってると、
『アリス様、ゼシカに手持ちの素材を売らせれば、金銭を手に入れることができるので問題ありませんよ』
『流石は
『お褒め頂きありがとうございます』
私は
「ゼシカ、狼から回収した素材を売ってきてくれる? そのお金があれば入村税を払えると思うの」
「なるほど! かしこまりました」
暫くすると素材を売ってきたゼシカが、お金を手にして戻ってきたので、再び入村審査の列に並び直したの。程なく私の審査の順番が来たので、受付で審査官から入村の目的等の質問を受ける。
「ようこそポロ村へ、来村の目的を教えてもらえますか?」
「私は隣に居るゼシカと一緒に、このポロ村で冒険者になる為にまいりました」
「女の子が2人で冒険者になるかい?」
「はい、こう見えて私達は魔法が使えるので」
「そうですか、身分証明書はあるのかな?」
「彼女はギルドカードがありますが、私は持ってないので入村税を支払います」
そう言ったあとに審査官へ銀貨5枚を支払うと、入村証を渡されたので入村審査は無事に終了したの。
「審査は以上で終了です。お嬢ちゃん達、冒険者として頑張るんだよ」
「はい、ありがとうございました!」
審査が終わりポロ村の中へ入ったけど、特に目的も決めずに村へ来ただけなので、何をするか悩んでるとゼシカが私に声をかけた。
「アリス様、身分証明書になるギルドカードはとても便利なので、冒険者ギルドて冒険者登録をして、ギルドカードを作られませんか?」
ゼシカの提案は正しい、確かに身分証明書があると便利なので、早速冒険者ギルドへ向かうことにした。
私には