そんな感じで
シオンへは
「シオン、明日から3日間の予定で嘆きの地下迷宮の攻略へ向かうね。急なことで大変かも知れないけど、野営の準備をして欲しいの」
「かしこまりました。地下迷宮へはアリス様の世話係としてメイドを連れて行かれますか?」
「冒険時は危険を伴うので、私がアリス様のお世話を勤めるので大丈夫よ」
ゼシカがメイドの安全を考えて、私の身の回りの世話を買って出たので、私は頷いて認めた。
明日の話の最後の方で、警護長のアマンダが手を上げてから発言をしたの。
「アリス様、折り入ってお願いがあります」
「なにかな?」
「ダンジョンへ向かう時なのですが、警護の中から1名ずつ同行させて頂きたいのです」
「別に構わないけどさ、理由だけ聞かせてくれるかな?」
「はい、個々のレベルアップをして、屋敷を守る力を付けたいのです」
屋敷を護るための力を付けたいと言われて断る理由はない。
「うん、それなら明日から誰か一人わ連れて行くね。順番はアマンダに任せるね」
「ありがとうございます」
「あの……、私は左肘から先を失ってます。警護としての勤めは可能なのですが、ダンジョンとなると足を引っ張ることになるので、参加を辞退します」
シェリルが申し訳なさそうな顔をしながら、ダンジョンへ参加できないと伝えたの。私は彼女の手のことを知りながら、ずっと放置していたことを悔やんだの。
「あっ、シェリルは隻腕だったよね。ずっと放置してしまってゴメンね。ちょっと左肘を見せてくれる?」
「えっ、はい、どうぞ」
「うん、ありがとう。これなら問題なく治せそうだね。〚
私がシェリルの腕に触れながら回復魔法を唱えると、失ったはずの左肘から先の欠損部位が、少しずつだけど再生して最後は元の状態へ戻った。
「あっあぁああああ〜、わ、私の腕が治った」
シェリルは、失った左腕を右手で触りながら確認をすると、欠損部位の回復という奇跡を前に感激して泣き崩れた。周りの者も奇跡を目の当たりにして感涙していた。
「もっと早く治療すれば良かったね。本当に遅くなってごめんね。私は主失格だね」
「そんな事はありません! アリス様の奇跡の力により、私の失った腕を取り戻せました。アリス様を生涯の神として崇拝致します」
「「「生涯の神として崇拝致します」」」
なんか凄いことになってる。私は普通に治療しただけなのに……、屋敷に居た従者たちの全員が跪いてる……。
『アリス様、切断直後なら〚
うん、なんかやってしまったみたい。
でも、シェリルは喜んでくれている。身内に困ったことがあれば解決するのが主の務めだから、やり過ぎたかも知らないけど、決して後悔はしてない。
(七神女神の皆様方、ちょっとやり過ぎたけど怒らないでね?)