魔術試験の会場となる演習場へ到着した。
あれだけたくさん居た一般階級の受験者は、なんと私達を含めて10人にまで減っていた。グリエル英傑学園は、全てにおいて平等に機会を与えるって聞いていたけど、実際のところは平民を蔑ろにしていると感じた。
少し嫌なな気持ちになりながらも、演習場で魔術の試験に付いての説明を受ける。
試験は演習場で魔導人形を相手にした模擬戦闘の試験で、攻防様々な魔術を駆使して、その威力が点数化される形で行われる。この試験も50点に満たない場合は即不合格となる一般階級ルールが適用されていた。
魔術試験は一般階級の受験生にとっては、最難関と言われている。魔力の保有量って身分が高い者が多い傾向があると、魔力操作や魔法発動といった部類は、独学で勉強するには厳しいく、家庭教師の下で学ぶのが普通なの。だから他の一般階級の受験生は、この魔術試験で全員が不合格となってしまった。
(私なら魔力保有量で選抜するけどね……)
そんな思いに浸りながら、順番がきたので魔術試験に挑む、魔導人形へ向かって火と爆破の複合魔法である
『ドゴォーーーンッ!』
『パラパラ……』
直撃をした瞬間、武術試験との武装人形と同様に木っ端微塵となったのだった……。
「あの〜、粉々になりましたね?」
「なっ……そ、そうだな、そこまで!」
武術試験に続いて魔道具が壊れてしまい、魔術試験が中断する。学園側は不測の事態に備える準備ができてないなんて、怠慢過ぎるよね。
そんな私の点数は200,000点だったみたいで、これは合格で間違いなさそうだね。
しばらくすると、魔導人形が用意され魔術試験は再開された。ゼシカは13,000点、アナ17,500点、リューネ10,500点という結果だったので、3人も合格ラインを越えていると思う。
一般階級の受験生は全員が魔術試験を終えたので、試験官から試験終了の声がかかる。
「これにてグリエル英傑学園の入学試験を終了する。合否は1週間後に合格者へのみ届けを出した住所へ通達がある。以上解散!」
「「お疲れさまでした」」
こんな感じでグリエル英傑学園の試験が終わったの。ホテルへ馬車の中で、みんなで入学試験の話をする。
「世界最高峰とかって言ってたけどさ、簡単な試験で驚いたね」
「いえ、普通に難しかったですよ? アリス様が別格に優秀なんですよ! 」
私の言葉にゼシカが応えると、アナとリューネも頷いていた。
「う〜ん、私は平均レベルだよ? まぁ、どうでも良いか! 合格の通達までじかんがあるから、王都の屋敷でもリフォームして時間を潰しちゃう?」
「それが良いですね。今日のところはホテルへ戻って明日からリフォームをしましょう」
ミネバが明日からリフォームをすることを提案したので、この日はホテルへと戻って入学試験のお疲れさま会を開くことにしたの。