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第6話 残念な学園

 後期に入って2日目、本格的に授業が始まる。朝のホームルームでは、合同演習についてブルース先生が説明をしてくれた。


「これまでは、クラス単位での授業だったが、後期からは学園全学年による合同演習が行われる。なお、合同演習は十傑特権は認められないから、必ず出席するように頼むぞ。何か質問はあるか?」

「は〜い、合同演習の授業って内容はどんなのですか?」

「合同演習は、王都の近くにある大草原と森林で行われる。大草原ではゴブリンやグラスウルフ、森林ではオークやオーガが出現する」


 C級かD級冒険者程度のレベルってとこか、私たちにとっては雑魚だけど、一般の生徒にはハードルが高いと思った。だって授業では対人戦闘しか習ってないから、不規則な動きをする魔物を相手に、いきなりの実戦で対応できるのか不安に思えたの。


「じゃあ、授業は魔物を想定した戦闘訓練や、パーティー戦闘での連携確認ですか?」

「いや、合同演習では魔物を発見した場合は、即座に最大火力で殲滅するんだ。だから、授業では個人の能力を伸ばすことに重点を置く」


 発見次第の殲滅戦とか、かなりお粗末な合同演習みたいだね。これでは結構な数の怪我人が出るような気がする。負傷者の扱いが気になったので、その辺りも確認することにしたが、あまり良い返事は期待できないのかな?


「そうなんですね。合同演習中に負傷した場合はどのように治療するんですか? まさか、自己責任じゃないですよねぇ〜?」

「最低限のポーションを支給する。戦闘参加に支障が出た場合は、安全な最後方に控えて待機してもらう」

「なかなかハードなんですね」

「当然だろう? ある程度の戦闘能力がなければ入学できないんだ。この程度で脱落する者は学園を去ればいい」


 返事は予想以上に悪いもので、ついて来れない者は切り捨てていくスタイルなんだね。もっと大切に生徒を育てて行くのかと思ったのに残念だ。


(この学園から学ぶべきことは少ないかな?)


 これが世界最高峰と呼ばれるグリエル英傑学園なの? ここで学ぶことなんて殆どないと思えたの。後期を終えたら、学園を退学しようなんてことも考えないとね。


 いつかルミナスの森で学校を作る時は、もっと生徒に寄り添った教育システムを導入して、短期間ではなくもっと長い期間で、のびのびと育成しようと思った。

§並列思考セラフィム視点§

 アリス様は教育システムについて色々と考えておられる。あまり負担がかからないように、私なりの段階的に教育水準を上げていくシステムを考察して、アリス様に提案しようと思う。ご自身は自由気ままに過ごしておられるつもりなのだろうが、一つ一つの行いがこの世のためになっていることには、全く気づかれていないのでしょうね。


 私は、アリス様が思い描かれる理想的な世界が、必ず訪れるように祈りを捧げます。ルーミナス!


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