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スピリティッドアウェイ
スピリティッドアウェイ
緑ノ革
ホラー都市伝説
2025年02月14日
公開日
1.2万字
完結済
ある日、スーパーマーケットで娘が行方不明になる。 父親のマイケルは、何年も娘を探し続けていた。 そんな時、元同僚から娘が消えたスーパーマーケットがなくなると聞き、マイケルは娘の手掛かりがなくなる前に何かを見付けたいと思い、スーパーマーケットへと足を運んだのだが……。

悪夢のはじまり

 大きなスーパーマーケットの中を、一組の親子が歩いていた。

 その親子は父親と小さな娘で、父親はカートに娘を乗せながら歩いている。


 この年頃の子どもはよく動く。

 目を離すと、あっという間にどこかへ行ってしまう。

 とはいっても、この娘は分かりやすい子で、父親から離れても行く先はお菓子売り場しかない。


 だから、父親、マイケルは気を抜いていた。

 レジに並びながら、財布を出すために娘のジェシカから目を離してしまったのだ。


 財布を取り出してカートに乗せたジェシカの方を見ると、そこにいたハズのジェシカは忽然と姿を消していた。


「ジェシカ?」


 マイケルはジェシカがカートから飛び降りたのかと思い、周囲を見回し、カートを押しながらお菓子売り場へと向かう。

 大袋のチップスが並ぶ売り場を歩き、ジェシカを探したが、どこにもジェシカはいなかった。


(もしかして、車に戻ったのか?)


 そう思ったマイケルは、商品の入ったカートを店員に預け、駐車場へと駆け出す。

 自分の車へと向かったが、そこにもジェシカはいなかった。


 体温が下がっていくような、血の気が引く感覚を抱いたマイケルは、必死にジェシカの名を叫ぶ。


「ジェシカー! ジェシカァ!」


 周囲の人々の視線を集めながら、駐車場の真ん中でマイケルは叫んだ。


「ジェシカァァァァ!!」


 しかし、ジェシカが姿を現すことは無かった。

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