「そういや、ハルキ。どうして、私たちがいた場所にやってきたの?」
「私たちがいた場所……? ああ、あのドデカい宇宙船がいた場所か。警察官の大木さんがさ、お前たちが同じ服装で、
「そ、それで……?」
「リオの兄貴と久しぶりに会ったみたいだって事は言っておいたよ。だから、昔話に花が咲いて、遠くまで歩いちゃったのかもなって。——まあ、その話は信じてくれたけど、あの場所であんな事が起きちまったからなあ……」
トラックの窓に朝日が差し込んできた。ハルキは目をこすり、ハンドルを握り直す。きっと、あまり眠れていないのだろう。
「でもな……大木さんの連絡がくる前から、胸騒ぎはしてたんだ。レクトは大事なことを言おうとしていたし、迎えに来たアレンの様子も普通じゃなかったし。で、大木さんの連絡がダメ押しになったってわけだ。——あ、ミツキからだ。代わりに出てくれるか?」
ハルキのスマホに、ミツキから着信が入った。ハルキの代わりに、私が電話に出る。
『サリアちゃん!? 良かった、元気そうで! ——今ね、南西の無人島で戦闘があったって、テレビがニュース流してる。これもサリアちゃんたちだよね?』
「も、もうニュースになってるんだ……どんな映像が流れてた?」
『海に浮かんでる破片とか、無人島に落ちている部品とか? それ以外は全然見つかってないみたいだけど。——サリアちゃん以外も大丈夫だったんだよね? レクトくんやリオくんも』
スマホはスピーカー状態にしていたため、ハルキたちにもミツキの声は届いている。
「ミツキ……レクトやリオたちは大丈夫だ。——だが、エリオンさんって方は亡くなったらしい……家についたら、またサリアから一緒に話を聞こう」
スマホ越しのミツキからの返事がない。きっと、ショックを受けているのだろう。
「——あと、十五分程で家に着く。その頃に、また家の周りの状況を教えてくれ。じゃあ切るぞ、ミツキ」
ミツキは消え入りそうな声で、「はい」と答えた。