ミツキから「今なら大丈夫」という連絡を受け、ハルキたちの自宅裏にトラックを停めた。私たちは人目につかないよう、裏口からこっそりとハルキたちの家へ入っていく。
「ふうー……とりあえずは、これで一安心ってところか。あとは監視カメラに写ってないことを願うばかりだな」
リビングに入ったハルキは、どかっと腰を下ろすとそう言った。
「ハルキさん、ミツキさん……ちょっといいだろうか」
アレンはそう言うと、ハルキの前で姿勢を正した。つられるようにハルキも姿勢を正すと、その隣にミツキも座った。
「今までちゃんと礼を言えておらず、申し訳なかった。こいつら三人と過ごしてくれていたこと。戦闘中に俺たちを助けてくれたこと。サリアとレヴァナントを落としてくれたこと。そして今、こうやって俺たちを
アレンはハルキとミツキに対し、深く頭を下げた。隣にいたリオも、目をうるませながら頭を下げている。
「な、何を言ってるんだ、アレン……サリアにも言ったけど、アレンたちがいなければ、俺たちはただただ殺されていただけなんだ。感謝しないといけないのは、俺たちの方だ。こちらこそ、本当にありがとう。地球人の代表としても、礼を言いたい」
ハルキとミツキも、私たちに対し深く頭を下げた。
「本当に、あなたたちには感謝しか無いよ……本当に、本当にありがとうね。——ただ、私たちはこれからどうしようかね? サリアたちの家にでも転がり込むか」
「ハハハ、いいね先生。それはそれで面白そうだけど、ハルキさんたちは大家なんだぜ。——ハルキさん、俺たちの裏の、畑付きの家も空き家なんだよな?」
「そうそう。ミレルさんが良ければ、全然使ってやってください。今は俺たちが畑を使ってるが、興味があるなら畑も使ってくれて大丈夫なんで。——ハハハ、なんか急に俺たちの周りが賑やかになってきたな」
ハルキとミツキは顔を見合わせて喜んだ。
「盛り上がっているところ、すまない。——実は、ゼルクの中にエリオンさんの書き置きがあったんだ。何故かサリア宛てだったから、俺も読んでいない。これだ」
アレンはそう言って、私に手紙を差し出した。
「エリオンさんが私に……?」
「なんて書いてあるんだ? 読んでみてくれよ、サリア」
私はエリオンからの手紙を広げ、皆の前で読み始めた。