現代史に魔法が登場したのは、さる独裁国家で、拷問官がその使い手だった。
拷問相手に命の危機が迫ると手に紫色の光が現れ、触れた場所から治癒する、という初歩の回復魔法だ。
手が痣のように黒かったので『聖痕の持ち主』と呼ばれたが、世界的には『拷問官』と同義の言葉で呼ばれることとなった。