えっ‥‥‥‥‥‥。ビックリしすぎて思考・動作が停止してしまって花音を見たまま止まってしまった。
「あっ‥‥‥‥‥
花音の声で思考が、もう一度、動きだす。
今‥‥パパって言った??言ったよな?どういう事だ??もしかして‥‥‥‥花音が俺がパパだと教えてくれていたのか??花音‥‥‥‥‥‥。目頭が熱くなるのを感じた。
もう一度、花音に視線をもどすと、花音が何か言いたそうにしているのに気づく‥‥‥。
ドキドキドキドキ
期待感が増していく。
「あっ‥‥‥‥‥。ごめんなさい。」
どういう意味のごめんなさいなのか??
「あっ‥‥‥‥‥‥。絵本で‥‥‥お父さんという存在を知ってから光希以外の男性にはパパって呼ぶんです。ごめんなさい。」
‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥。
はぁ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥。そういう事。そりゃそうだよな‥‥‥大変な時に逃げ去った男の事なんて父親だって教えないよな‥‥‥‥‥。当たり前の事なのに‥‥‥‥。何、期待してたんだよ。ダサすぎるって‥‥‥‥‥。
「あっ。そっかー。」
涙を手で拭い、もう一度、類をオモチャに誘おうとした時に女将の声が掛かり食事を運んでもらう。
類が上手ではないけど、一生懸命スプーンを使って美味しそうにご飯を食べる姿に釘付けになっていると類が俺の視線に気づきニコーっと笑いスプーンにのせた唐揚げをつきだし「どうじょー。」って言う。
パクッと口にいれたいがスプーンに口をつけて良いのか?ダメだよな??っと花音を見るとゆっくり頷いたのを確認してから、
パクッと唐揚げを口に入れる。
「類。ありがとう。うまい。」っと伝える。
類はニッコリ笑い「おいしいね。」って頬に手を2回当てる。その姿がただただ可愛い。愛おしさは増すばかりだが‥‥‥‥‥花音と話合わないと類をみていられらるのも今日が最初で最後になる可能性もある事がフッと頭によぎって急に胸を鷲掴みされたような痛みを感じた。花音と類の側に俺はいた。後は何も望まない。会社も金もいらない。ただ2人の側にいたい。
その為には花音に‥‥‥‥‥。途中になっていた話をしようと決意した同時に花音の声がした。
「あっ。‥‥‥‥私の話をしても大丈夫ですか?」
「あぁ‥‥‥。もちろん。」
花音が1度、深呼吸をしているのに気づいた。
「私は、両親の事故の時に新さんに側にいて欲しかった。なのに、いち早く駆けつけたのは、お義母さんだった。なぜか誰にも伝えてなかった両親が運び込まれた病院に来られました。まだ、両親の生死がわかっていない状態で「有須川の令嬢じゃなくなったあなたには用がない。2度と電話も顔を見せることもしないで欲しいと新さんが言ってる」っと聞かされまさした。」
花音の目から今にも涙が溢れ落ちそうになっている。今すぐにでも抱きしめたい気持ちでいっぱいだが今は頭を下げる事しか出来ない。
「花音。すまなかった。ご‥‥‥‥ごめん。」また、涙が流れだす。
花音は目から涙を流しながら頭を横に振る。
「何がなんだかわからなかった。光希は事故の記憶だけが抜け落ちているけど‥‥‥‥‥な‥なぜか‥‥‥新さんの記憶かありません。新さんが事故に関わっているとは思ってませんが‥‥‥‥‥その‥‥‥‥‥‥‥。」
花音の言いたい事はわかる。
「花音。」呼ぶと花音はこっちを見てくれた。
「俺に関わる誰かが事故に関わっている可能性が高いな。わかってる。何もかもなかった事には出来ない。だけど‥‥‥‥もし、その誰かに類の存在を知られたら、今度は類が危ないかもしれない。」
花音が俯く。怖いよな。恐さにつけ込んだ卑怯な手を使うけどごめん。
「婚約者だった時にすぐに戻りたい気持ちはいっぱいだけど、今は花音に受け入れてもらえるとは思ってないから大丈夫だ。絶対に花音から類を引き離させないから、その為に俺を花音と類の側においてほしい。恋人や家族じゃなくてボディーガードやシッターだと思ってくれないか?どんな事からも2人を守るからお願いします。」頭を下げる。