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第8話 どこに‥‥‥

寝ている愛梨奈を見ながら静かに涙をながす。

もう、周平とは一緒にはいられない。

けど、頼れる両親も実家もない。

頼れる人で頭に浮かぶのはマリだけだった。

マリの所はすぐに見つかる。そうしたら迷惑かけるよね。

すでに、周平が隆くんに連絡してるかもしれないし。

考えてるうちに朝がきた。

周平が仕事に出るまでは寝室をでずに愛梨奈をあやしていた。

周平は「行ってきます。」っと寝室の扉をあけて声をかけてくるが‥‥‥何も言わなかった。

よく、声がかけれてたなって思ってしまう。

心がよどんでいる。その状態で愛梨奈に接したくなくて‥‥‥‥。

ふー。っと深呼吸をして‥‥愛梨奈と一緒にリビングに出る。


今日‥‥‥家を出たいな‥‥。行く所ないけど‥‥‥。周平も行く所がないのを知っていて‥‥‥仕事に出掛けたんだと思う。「行ってきます。」とワザワザ寝室の戸をあけて。頼る所がないのをわかっているから、愛梨奈を連れて離婚なんかないと高を括っているんだろうな。本当に悔しいな‥‥‥。っと考えているとまた、涙が溢れてきた。上を見上げる。もう、泣かない。

その時に携帯がなる。マリだった。タイミング良さすぎ。

「もしもし?リサ?大丈夫?」

「マリ‥‥‥。」涙がとまらない。

「昨日、周平くんから隆に電話があったの。隆もすごく怒ってた。」やっぱり隆君に言ったんだー。

「うん。」

「とりあえず、今からそっちに行っていい??」

「うん。お願い来て。」

少しするとまりが来てくれた。玄関を入るとすぐ

「リサ」っと抱きしめてくれた。マリの体温が温かくて声を出して泣いた。優しく背中をポンポンしながら「とりあえず、うちに愛梨奈ちゃんと一緒においで!」

「いいの?」ビックリしてマリを見る。

「いいに決まってる。隆が迎えにいってこいって言ってくれた。1週間分ぐらいの荷物を用意しよう。後はどうするか考えてどう決めても隆が中に入ってもいいんだけど、隆だったら周平くんなめそうだから隆の先輩にまかせればいいって!」隆君は弁護士。

「うん。隆君にお願いしようと思ってたんだけど、そうだね。周平はなめそうだね。いっぱい考えてくれて本当にありがとう。助かる。」

「うん。愛梨奈ちゃんと海が大人しくしてくれている間に荷物準備しよう。」

「うん。」

2人でとりあえず1週間ぐらい過ごせる準備をする。

何とか愛梨奈と海君が泣く前に準備が出来た。

「暑いし荷物があるからタクシーで行こう。」マリが言う。「うん。タクシー呼ぶね。」スマホのアプリでタクシーを呼びマリの家に向かう。


家につくと愛梨奈は海君と一緒にあーあー。って話してる。

かわいいなぁー。っと思うのと同時に愛梨奈に申し訳なくて泣きそうになる。


夕方に「ただいま〜。」っと隆君が帰ってくる

「おかえりなさい。お邪魔してます。」ニコっと笑い言う。

「うん。いっぱい食べて、いっぱい寝て、元気になれ!!いつまでもいてくれていいから。」隆も微笑んでくれる。

「ありがとう。」優しさがしみて、また泣きそうになる。それを見てたマリが

「あーあーあー。隆が泣かした!!」っと騒ぐ。

ワッハハハっと笑う。私‥‥普通に笑える大丈夫!っと思えた。よかった。

海君と愛梨奈を寝かしてから3人がリビングに集まる。

「隆くん。私離婚したい。もちろん親権も渡さない。」

「うん。そうだよね。当たり前だよ。」っとまりは言う。

「今すぐ結論を出さなくて良いんだよ。もっとゆっくり考えても‥‥‥。」隆君は諭すように言う。

「うん。でも、盗聴器を警察に届ける事を拒否した瞬間に私は決心した。」そう、あの時には決めてたんだ。

「「‥‥‥。」」

「迷いなく届けるって言ってくれていたら違う結果になっていたかもしれない。」

「うん。わかった。条件は決めてる?」隆君が落ち着いたトーンで聞いてくれる。

「ううん。どんな条件があるかもわからない。」

「うん。そうだね。」

「慰謝料と養育費があるね。」

「慰謝料は取りたい。」

「うん。養育費は?」

「養育費をもらうと会わせないといけないんだよね??」

「いけない事はないけど面会を主張してくるだろうね。」

「だったら慰謝料だけでよい。」

「うん。相手からも取れるから最大限にとろう。あと‥‥‥財産分与も請求できるから。」

「うん。ありがとう。」

「俺なら周平がなめるだろうから先輩に頼むね。費用の心配はいらないから。費用も上乗せで周平に請求するから!」

「何から何までありがとう。」

「辛かったね。りさは強いよ。」っとマリが抱きしめくれて、また泣いてしまう。

「ゆっくり寝てね。おやすみ。」ってマリが言っ2人は寝室に入る。2人がいて本当によかった。


部屋で愛梨奈を見ながら‥‥これからの事を考える。

まず、仕事と住む所を探さないと‥‥‥‥。

携帯で探していると〜〜。子供の頃に住んでいた所の求人を目にする。

住み込みの大学の柔道部の寮母さんか〜。家事は得意だし出来るかな??3ヶ月の赤ちゃんがいるとムリかな??って見ていると責任者の所に大学の理事長の名前が書いてあり‥‥‥。この名前に見覚えある。誰だったかな‥‥‥。考えても出てこずそのまま寝落ちしてしまった。

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