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第7話 盗聴器

愛梨奈を寝かしつけながら、色んな可能性が浮かんできた。


1番はじめに浮かんだのは周平が浮気していて浮気相手が入れた。


次は会社の同僚が周平の営業先を盗ろうとするために入れた。あとは‥‥‥‥周平が不正をしていて明らかにするため??


周平の営業成績は普通だし。小心者だから不正はないな‥‥‥‥‥。

ってか‥‥‥最近の周平の明らかに、おかしい態度を考えると浮気以外の理由が考えても考えても出てこない。どうしよう‥‥‥。自然と愛梨奈を抱く手にも力が入ってしまう。


さっきまで手が震えてたのに‥‥‥ちゃんと手に力が入ってる。絶対に愛梨奈は私が守る。

愛梨奈が寝たので寝室のベビーベッドで寝かせる。

愛梨奈の寝顔を見ながら【ごめんね。愛梨奈。】そう心で思った。

寝室を出て、周平に悟られないように、「愛梨奈寝たよ〜」と普段と同じトーンでなんとか周平に言えた。


周平はバスタオルで髪を拭きながら「ありがとう。明日は俺が寝かし付けるよ。」っと呑気に言う。


周平の顔を見ながら


「明日、一緒にいるかな?」って聞く。愛梨奈に【ごめんね。】っと思った時には明日は周平とは一緒にいない事を想定していたのかもしれない。


「‥‥‥。何?意味が分からない。今日、愛梨奈とお世話してないから怒ってる???」不機嫌に言ってくる。


「怒ってないよ。それにはね。いつもいっぱいお世話してくれて感謝してる。それにはね。」声を荒げず泣かずに冷静に答える。


「それにはね。って何?」周平は意味がわからないっというような不機嫌な態度をとる。


少しの沈黙の後に‥‥‥ポケットの中の盗聴器を周平の前の机の上に置く。


「何コレ?」周平が聞く。


「こっちが聞きたい。」


「はぁ?どういう意味?」周平の声が大きくなる。


「声が大きいよ。愛梨奈が起きる。」周平を睨む。


「ベッドの上にあった周平のカバンに手が当たって、ベッドから落ちた。ファスナーが空いてたから中身が出てしまったの。それについてはごめんなさい。」


数分の間をあけたが、周平が口を開かないので私が言う。


「カバンからコレも出てきた。コレって盗聴器だよね?」


沈黙が続く。


「盗聴器をカバンに入れられるような心当たりあるの?」少し声が大きくなる。


数秒の沈黙の後に


「ない。」ようやく周平が答える。


「ないの?」


「ない。」


「だったら、警察に届けて!心当たりないのなら出来るよね?恐いし警察だよね?当たり前だよね?」

周平に詰め寄る。


周平はうつむいたまま何も答えない。


「なんで警察に行かないの?」


「‥‥‥‥。」


「心当たりがあるからだよね?」


「ごめん。」周平が震える声で答える。


「ごめん。って何?分からない。」


「‥‥‥。」


「浮気してるって事?」


「‥‥‥。」


「誰?私があったショートカットの人?」


「‥‥‥。ごめん。」


「だから〜ごめんって何?」


「‥‥‥。ごめん。」


「許さない。警察に行くって迷わず言ってくれたら許そうと思ってた。」涙がとめどなく出てくる。絶対に泣きたくなかったのに。興奮して声も大きくなる。


「警察に行かないという事は私と愛梨奈よりあのヒトを庇うって事よね?」


「違う。リサと愛梨奈が大事だー。」首を振る。


「ごめん。警察に届けると即答できなかった事で〜もう信じられない。」


「リサ〜!!」周平が私の腕を掴もうとしてきた。


「私にも愛梨奈にも触らなで!!」


「‥‥‥‥。ごめん。」


「だから〜許さない。」


「一刻も早く出て行くから」


「待って。話すから。」


「聞きたくない。質問にだけ答えて。」


「‥‥‥。」


「あのヒトは誰」


「高校の同窓会であった高校の時の彼女。」


「そっかー。高校の同窓会って私が妊娠中にあったよね?」


「うん。」


「妊娠中から浮気してたって事??」


「‥‥‥。うん。」


リサの涙がボタボタ机に落ちる。絶対に泣きたくなかったのに。


「でも、愛梨奈が生まれて、もう関係をやめたい。って何度も伝えていたんだー。」


「‥‥‥。そう。」リサは涙を流しながらニコっと笑う。


「それで、許すわけない。別れて下さい。」そんな、言い訳で許されると思っているなんてバカにしてる。怒りが増してくるのがわかる。これ以上、同じ空間にはいたくない。寝室に行こうとすると周平に止められる。


「待って!」周平は涙を流しながらこっちを見て言う。


「待てない。同じ空間にいたくない。今日はリビングで寝て下さい。」そう伝えて、リサは寝室に入る。

泣くぐらいなら浮気なんかするなよ!!しかも妊娠中に!!!

あー。心が醜くなる自分自身がイヤになる。

もう、周平とは一緒にいられない。

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