目次
ブックマーク
応援する
いいね!
コメント
シェア
通報

ぼくたちに居場所をください

 街の中で暮らす地域猫「ナシ」君のエピソード。

 ナシくんはTNRの去勢手術済、さくらねこです。

 付近の住民たちからゴハンを貰って暮らしています。


 虐められた経験が無いからか、警戒心ゼロのナシ君。

 顔は厳ついですが、穏やかな性格です。


 屋外で暮らす猫の寿命は短い。

 車通りの多い市街地では、交通事故によって殆どが2~3年以内に命を落としてしまいます。

 ナシ君は1歳になるかならないかの若猫ですが、同じ日に生まれた兄弟の1匹は交通事故で既に世を去っています。


 そんな短い一生を、過ごさせてくれない人間の都合。

 新たに引っ越してきた人が猫嫌いだったようで、ナシ君の立場が危うくなりました。

「車にオシッコをかけた!」

「車に足跡をつけた!」

 引っ越してきた人から毎日のように文句を言われる餌やりさん。

 猫を好きになれとか、そんな無理は言いません。

 猫を付近の住民だと思って、その地区で共存してもらえませんか?


「ここに猫がいるのは困る。どこかへやってくれ」

 多くの人がそう言います。

 皆がそう言っていたら、猫は何処に棲めばいいのでしょうか?

 彼等の居場所が、何処にも無いです。


 人間同士なら、あいつ嫌いだと言いつつも渋々ご近所生活を続けますよね?

 近所に棲む猫も、同じように妥協していただけませんか?


 TNRは、野良猫が増え過ぎないようにする為の活動です。

 今すぐ猫を無くすものではありません。


 飼い主のいない地域猫たちに、居場所を下さい。



 ナシ君はその後、交通事故に遭い、島内では治療が困難だったため、東京の「しゃーねこ家」さんに保護猫として引き取られました。

 現在はペットのおうちから里親募集中です。



この作品に、最初のコメントを書いてみませんか?