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ハブに噛まれた猫と、2種類のハブの話

 4/28に搬送の際にキャリーの扉をこじ開けて逃走した猫くん。

 5/5脱走地点から西へ200mほど進んだ民家の庭先に現れて捕獲されました。

 オス猫は1日に数キロ移動すると獣医さんから聞いていたので、今頃は元いた地区へ帰っているかもと思いましたが、本猫そこまで行く気は無かったもようです。

 現れた民家の人に捕獲してもらい、本日筆者の家のガレージ(TNR猫の預かり場所)に戻りました。


 猫くん逃走中に腹が減ってハブを狩ろうとしたのでしょうか、足が腫れていたそうです。

 捕獲してくれた人はお店をやっていて、たまたま獣医師の方が来店中だったのでその場で診てもらえたそうです。

 しかも獣医さんプライベート(多分観光で石垣島に来てただけ)なのにお薬を持っていて、見ず知らずの野良猫に薬をくれました。

 ありがとう、獣医さん。

 獣医さんの伝言によれば、猫くんは6日間投薬した後は普通に生活できるそうです。

 ハブと聞くと「血清を打たなきゃ死んじゃう!」と慌てる方が多いですが、それは奄美群島や沖縄諸島にいる【ホンハブ】とも呼ばれる種で、石垣島のハブとは種類が違います。



 ◆サキシマハブ(学名:Protobothrops elegans)

 クサリヘビ科ハブ属に分類される、有毒のヘビ(毒蛇)。

 日本の先島諸島を中心に棲息する。

 先島諸島のうち、八重山列島(与那国島および波照間島を除く)の固有種。

 沖縄本島の南部に、薬用などの目的で持ち込まれた個体が逸出し分布している。

 全長60-120センチメートル、頭胴長は50-100センチメートルで、雌雄差はない。

 体色は褐色から灰褐色。暗褐色の鎖状の斑紋が入るが、個体変異も大きく斑紋が不明瞭な個体もいる。

 毒性はハブよりも弱いとされているが、噛まれた場合には重症に陥ることもある。


 石垣島ではたまに犬や猫が噛まれていますが、一時的に腫れるだけで治っていくことが多いです。

 以前にホテル敷地内でハブに噛まれた仔猫(体重1キロくらい)がいましたが、一時的にグッタリしたものの自然治癒して普通にゴハン食べていました。

 耳を噛まれると腫れた後に萎んで干し椎茸みたいになってしまった犬猫もいます。

 筆者の知人が手を噛まれた際は、野球グローブみたいに手が腫れ上がっているのを見せてくれました。

 その知人曰く「血清は無く、病院で痛みに耐えながら寝てるだけだった」そうです。




 ◆ハブ(学名:Protobothrops flavoviridis)

 クサリヘビ科ハブ属に分類される、有毒のヘビ(毒蛇)。別名ホンハブ。

 日本固有種で、南西諸島のうち、いわゆる中琉球に属する以下の計22島に生息する。

 奄美群島:奄美大島、枝手久島、加計呂麻島、請島、与路島、徳之島。

 沖縄諸島(慶良間諸島を含む):伊平屋島、伊江島、水納島、瀬底島、古宇利島、屋我地島、沖縄本島、藪地島、浜比嘉島、平安座島、宮城島(うるま市・大宜味村両方とも)、伊計島、渡嘉敷島、渡名喜島、奥武島、久米島。

 全長100 - 220センチメートル。体重1.35キログラム。

 上記は平均値であり、過去には体長242cm・体重2.9kg程度の個体や、体長226cm・体重3.15 kg、胴回りの最大周が約20cmの個体が捕獲されている。ハブ属内でも大型。

 毒性はニホンマムシよりも弱いが、毒牙が1.5センチメートルと大型で毒量が100 - 300ミリグラムと多い。

 1回の咬傷にあたり平均22.5ミリグラム、最大103ミリグラムの毒液を排出する。

 局所的な症状としては患部の腫張や疼痛があり、直接的あるいは局部の腫張に伴う循環機能の圧迫により間接的に患部の壊死・機能障害を引き起こすこともある。

 四肢へ咬傷された場合は、拘縮により運動障害を残すこともある。

 嘔吐・腹痛・下痢・血圧低下、意識障害などの症状も引き起こし、血液凝固成分も含まれるが血液凝固異常や急性腎不全を引き起こすことは少ない。

 一度咬傷されたことがある場合は、急激な血圧低下や気管狭窄といった重篤な症状を伴うアナフィラキシーショックを引き起こすこともある。

 咬傷された場合は循環不全によるショック状態に陥るため、血清の使用などによる迅速な処置が必要になる。

 致死量は体重1キログラムあたり乾燥重量にして6ミリグラム。




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