5/24にTNRの避妊手術を受けた猫さん、子宮内膜炎を発症していました。
子宮も卵巣も切除してもらったので、後は抗生剤投与で治るそうです。
筆者は2017年からTNRに関わってきましたが、子宮内膜炎の猫に遭遇するのは今回初めてでした。
獣医師が飼い犬や飼い猫の避妊手術を推奨する理由の1つとして知ってはいます。
子宮内膜炎とは、猫にとって一体どんな病気なんでしょうか?
ちょっと調べてみました。
【猫の子宮内膜炎】
黄体ホルモンの影響で子宮内膜が厚くなり、細菌感染によって起こる病気。
子宮に膿が溜まる病気「子宮蓄膿症」になることもある。
猫は交尾排卵動物なので黄体期の機会が少なく、子宮内膜炎の発症は犬と比べて少ない。
黄体期とは、月経周期における排卵後から次の月経が始まるまでの期間。
この期間は、排卵した卵胞が変化して黄体となり、そこからプロゲステロンというホルモンが分泌される。
黄体は、排卵によって卵子が放出された後の卵胞が変化したもので、ホルモンを分泌する役割を担う。
プロゲステロンは、子宮内膜を厚くし受精卵が着床しやすい状態に整えるほか、体温を上昇させ、精神状態を安定させるなど、様々な働きをする。
◆症状
食欲不振、体重減少、多飲多尿、嘔吐、腹痛、腹部の膨らみ、発熱、元気消失
陰部からのオリモノ、外陰部を気にして舐める
◆原因
発情周期の異常、特に発情期に黄体ホルモン(プロジェステロン)の分泌が過剰になること。
子宮内細菌感染、特に大腸菌やブドウ球菌など。
免疫機能の低下。
◆治療
子宮と卵巣を摘出する「避妊手術」が一般的で、再発防止にもつながる。
重症な場合は、手術前に抗生物質や点滴療法で膿や毒素を排除する。
◆注意点
閉鎖性子宮蓄膿症では、症状が目立たないため、発見が遅れて重症化する可能性がある。
早期発見・治療が重要で、完治が期待できる。
今回手術した野良猫さんは、もしもTNRをしていなかったら、誰にも病気に気付いてもらえなかったでしょう。
TNRが子宮内膜炎の治療に役立った出来事でした。