生まれたての仔猫の体重は、平均100gだそうです。
57gの白三毛ちゃんは、かなりの未熟児で生まれてきました。
5/29、朝9時半頃。
仕事が夜勤のためまだ寝ていた筆者は、LINE電話の音で目が覚めました。
「産んでます~!」
慌てた様子の第一声。
電話は、うちのガレージにTNR猫を迎えに来たボラさんからでした。
跳び起きた筆者がガレージに駆け付けると、明日避妊手術予定の猫を入れたSケージの中に、蠢く小さな生物が!
「あ~、今年4回目……」
TNRの短期保護中に出産。
滅多に起きないこと……の筈。
手術前の1~2日の間に産むとは、猫は何を狙っているのやら……。
TNRで捕獲される猫は飼い主のいない猫なので、餌やり人も日常生活を把握していません。
妊娠してるかどうかなんて、誰にも分からない。
痩せ気味の猫を手術したら入ってたなんてこともありました。
腹が膨らんでいるから妊娠かと思ったら、ただの肥満だったなんてこともあります。
今回の猫は標準体型でした。
一緒に捕獲された猫が丸々と太っていたせいで細く見えたくらいです。
……それはともかく……
母猫が仔猫を避けるように、ケージの隅に下がっているのはどういうことなのか?
しかも、仔猫たちにはみんな胎盤が付いたまま、臍の緒も切られずにケージの床に転がされていました。
羊水で濡れたまま放置された仔猫たちのうち、一番小さい白三毛はほとんど動いていない状態でした。
「普通、母猫って仔猫を舐めてあげたりしますよね?」
「これ、完全に放置されてるよね? すぐ取り上げて人工哺乳しないと死んじゃう」
その場にいたボラさんと2人で話し、仔猫の隔離決定。
育児放棄とみて、ケージの中から仔猫たちを取り出しました。
普通の母猫なら産んですぐ臍の緒を噛み切り、胎盤は食べてしまうので、現場に残されることはありません。
筆者は猫の出産直後を見るのはこれで6回目ですが、胎盤がついたままなんて見るのは初めてです。
「育児放棄された乳飲み子を育ててもらえますか?」
すぐにミルクボランティアさんたちに電話。
即OKをもらった後、母猫に出しっぱなしでほったらかされた乳飲み子たちを大急ぎで洗面所に運びました。
①消毒したハサミで臍帯をカット!
②40℃設定したお湯で羊水を洗い流す!
③キッチンペーパーで拭き拭きした後、ドライヤーで乾かす!
④ペットボトルにポットのお湯(90℃)を入れ、靴下を被せて簡易湯たんぽを作り、仔猫がいる箱の中に入れる!
その日、朝起きて顔を洗う前に洗面所でやったことが上記です。
その後、2匹ずつに分けてミルボラさんに届けに行き、ひとまず自分がやれることは一旦完了。
初期の体重も量りました。
57g、69g、78g、80g。
出生時の仔猫の平均体重が100g前後なので、未熟児ばかりです。
ちなみに、4/5に(これも手術前日)出産のルカファミリー仔猫4匹は、94~96gでした。
この4匹は出生直後の体重ではなく、生まれてすぐ母猫の初乳を飲んだ後の体重なので、多少の時間差はありますが……。
今日で生後3日目、仔猫たちは弱々しいながらも懸命にミルクを飲んで生きています。
まずは体重100gの壁を超えることが第一関門です。
がんばれチマチマたち!
後日聞いた話によれば、今回の母猫は過去に仔猫を産み、食べてしまった経緯があるそうです。
食われる前に取り上げられた、運のいいチビたち。
筆者が在宅中でなければ、ボラがガレージに来なければ、発見が遅れて死んでいたことでしょう。
その運を手に、しっかり育ってほしいですね。
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【5月31日18時追記】
3日目の午後、4匹のうち3匹が短い命を終えました。
69g「えいきち」12:18 永眠
57g「りあん」14:15 永眠
78g「まめ」17:06 永眠