少しみんなで話をした後、
三つのプレゼント全てが入る大きな紙袋に入れてもらい、それを二人で持って歩いている。
「ねえ先輩」
「なにかしら?」
「ありがとうございます」
ジリジリと身を焦がす夏の暑さを和らげる優しい風が頬を撫でる。
「まだ終わりではないわよ」
「それはそうなんですけど……、あんなに沢山の人にお祝いされるとは思ってませんでしたから」
言われなくても、涼香が提案をしてあのサプライズ☆をやってくれたというのはなんとなく分かる。
涼香にだけお祝いをされればそれでいいと涼音は常々思っていたが、涼香以外にお祝いされるのも悪く無かった。
気にしないでと言われたがまた今度なんらかの形でお返しをしよう。
「なかなかいいものでしょう?」
「はい」
「ちなみに私には経験がないわ!」
「先輩の誕生日、八月ですもんね」
「そうなのよ、これは由々しき事態だわ」
確かにこのまま放っておくと涼香はなにをしでかすか分からない。
涼音は三年生の夏休みってみんな受験で大変かな? と思いながらどうしようかと考える。
そしてすぐに、誰かに相談してみようか、という結論を出すのだった。