部屋にシャワーの音が鳴り響く。
連夜は自身の昂りを少しでも抑えようと冷水を浴び続けていた為、身体は完全に冷え切っていた。
しかし、そんな身体とは裏腹に連夜の心は早く一つになりたいと熱く燃えていた。
「さすがに元気すぎるだろ」
相手に困ることなんて今まで一度も無かったが、想の姿を想像しただけで熱を持つ自分自身に驚きながら鏡を見つめる。
「マジでヤバいわ……どんだけ待ち遠しいんだよ」
連夜は自嘲気味に笑うとバスローブを
(……誰にも渡さない)
出会った時間も理由も何もかも関係ない。
ただ、想という人間の事を知れば知るほど
ー コンコン ー
しばらくしていると連夜の部屋に控えなノックが響く。
「どうぞ」
「待たせてごめん……」
何か気の利いた事を言おうとした連夜だったが、想の姿を見た途端……我慢が効かず、ベッドに引き寄せキスを落とす。
想の髪は少し濡れていて、頬が少しピンクに染まっている。
それに、お風呂上がりのいい匂い……極めつけは、部屋着として着ているトレーナーがオーバーサイズで……似合いすぎていた。
その可愛すぎる姿に、連夜の我慢は限界だった。
「ん、連夜さん……」
「……触るよ?」
「んっ……や、あっ」
「やめる?」
「……(フルフル)や、やめへん」
契約書の関係なんて頭の中にこれっぽちもない。
ただ、目の前にいる想を愛したい……
その思いだけが連夜の頭の中を占める。
「っ……連夜さん、あかんっ」
「想、可愛い……」
身体を重ねていくうちに想の甘い声がどんどん大きくなり、物凄い色香が放たれ……連夜はギリギリの理性を保っていた。
「今なら止まれるけど?」
「だ、い……じょうぶ」
「っじゃあ遠慮しない」
「んっ……」
想は恥ずかしそうにコクコク頷くと、目を潤ませ下唇をキュっと噛みしめながら連夜を見つめていた。
(あ゛~その顔可愛いすぎる!)
「……ごめん、もう止まれないかも」
「ひゃっ……」
「想……」
「れ、ん……やさん」
ーーーー
ーーーー
どのぐらい時間が経ったのかわからないが、ようやく二人の呼吸が落ち着く。
「……想、大丈夫?」
連夜は想の横に寝転ぶと、甘い顔で想にキスをする。
「だ、大丈夫や……そんな見んといてっ」
急に恥ずかしくなった想は、顔を手で覆い隠し耳まで真っ赤になり目をギュッと閉じていた。
そんな姿に連夜は愛おしさが更に込み上げてくる。
「さっきまでもっと恥ずかしいことしたのに?」
「な、な、何言うてるん」
「え? だって……」
「っ! れ、連夜さんのアホ!」
「ふふふ、酷くしてごめんね?」
「もー知らん」
拗ねる想の頬を笑いながら愛おしそうに撫でると、耳元で甘く囁く。
「ふははっ、ごめん。次は甘々にするから」
「え……うそやろ? もう無理や……」
「ん? ほら、二回戦しよっか」
「っ……」
連夜は想に覆い被さりながら伝えると、ぷるぷるウサギみたいに震えている。
あまりにも
(今日は寝かさないよ? 俺のウサギ)
ーーーー
(あ、やっと朝や……もう声も出やん.。ってか……甘々も激しすぎて、全然甘くはなかったわ、しかも絶倫やし。はぁ……こんなイケメンやったらいっぱい相手いるんやろな? 俺は借金返済のための玩具やから、きっと飽きられるまでやろな)
想が、虚しくなり一人涙を流していた時、連夜は気付かずに幸せな夢をみていた。
この時、起きてきちんとと気持ちを伝えればよかったと後々反省することになるなんて……
連夜は思ってもいなかった。