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ぼくたちの歩幅で
ぼくたちの歩幅で
色葉ロイ
BL現代BL
2025年03月09日
公開日
2.9万字
連載中
幼馴染で同じアイドルグループ⁉︎ 秘めた想いが溢れ出す―― 小野寺翔(おのでら かける)と宮部聖(みやべ あきら)は幼馴染。五人組グループで活動しているが、ある日宮部は寝ている小野寺にキスしてしまう。なんと宮部の初恋は小野寺だった!

第1話 小野寺side

 いまだに理解しきれないことが一つある。

 あきらが突然してきたキスのことだ。


 俺はライブ終わりに体のケアをしている間に寝落ちてしまって、控え室のソファでガッツリ寝ていたらしい。

 完全に目が覚める直前、唇に何か触れて、聖の匂いがした。

 一気に覚醒したけど、目が開けられずに足音が消えるのを待った。足音も完全に聖だった。


そのことを聞くために焼き鳥屋に誘い、確認したのだが………


 ◇

「キスしたよ、かけるが好きだから」

「好きになるのに性別や年齢は関係ないから」

「俺が好きなのは翔だけ」

「別に彼女にして欲しいわけじゃないよ」

「俺が勝手に好きになっただけだから」

「嫌じゃないならアピールするよ」

 などと気持ちをぶちまけてきたのは幼なじみで同じグループの宮部聖。王子様のような振る舞いをするのでセイ様と呼ばれることが多い。

「はぁ…」

 意味わかんなすぎる。勝手に好きになっただけって言われても、こっちは意識するだろ。

 焼き鳥屋で言われたことを思い返しながら、これまでのことも考えてみた。俺が自意識過剰じゃない限り、好きな素振りは見せていたのかもしれない。

 思いっきり気を許してた俺は、突然のキスと告白で、聖と距離をとってしまった。

 と言っても、もともとスキンシップがないし、雑誌の撮影の時くらいしかくっつかない。SNS用の集合写真でも、配信でも横にいることは少ない。

 あーなんか考えられなくなってきた。

 そろそろ帰ろうかな。

 俺はサウナから帰る途中にコンビニに寄って、お酒とつまみを買うことにした。

「あれ? 翔」

「えっ⁉︎  なんでいるの⁉︎」

「ちょ、声でかい。しー」

「うわうわ、ごめん、びっくりして」

「サウナ帰り?」

「おう、お前は?」

「翔の家に行こうかと思って、でもやめようか悩んで、一旦ここ入っただけ」

「え? くれば? あー飯作ってよ」

 言った直後に気がついた。

 何誘ってんだ俺。

「翔がいいなら」

「ラッキー」

 なんて強がってみるけど、内心バクバク。俺のこと好きって言ってきたやつを家に呼ぶって頭おかしくない? OKしてると思われたらどうしよう……

 まだ言われたことも気持ちもなにもかもが整理できてないというか……

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