最近、世界では紛争や戦争が絶えない、体が小さい頃から自分や家族を守る為そして敵討ちの為に銃を持ち戦う。そんな事が絶えず起きている。日本ならノートやペンを持ち勉強している年齢なのに反対の国ではそんな戦争が汚い大人の思惑で未来ある若者の未来が奪われる。
それを知りながら、国が違うだったり距離が離れすぎていることだったりする為、自分達は関係ないと高を括り関わろうとしない。でも実際は皆自分のことで精一杯なのだ、だから行動しない、いやできないそれが現実。
でも、先人が命を張って守ってきたこの国でも危険が迫っている。
新維新志士、それは今ニュースを見ていたら誰しもが知る存在だ。
それは、今の日本の政治に反感を持ち自分達がこの国を変えるそんな馬鹿げた理想を持つ危険な集団なのだ。何が危険なのかと言うと言葉で変えると言うのが当たり前になった現代での方法ではなく武力で変えようとしているのだ、実際、自分達が力で政治家が何人も殺されている。政治家でなくてもこの国を変えるためにはどんな業界的の人間も殺している方法は人気がいない場所でナイフで刺し殺したり銃で殺したり中には日本刀で殺したりなど、様々な方法で沢山の人が犠牲になっている。ただ日本政府も対策をしない訳ではない、都市伝説では秘密裏に新維新志士を逮捕する組織があったりするなど実際、逮捕している事例もある、そんな物騒な世の中になった、それで夜道を歩く人はいない。
いつからだろう、自分も夜を歩かなくなったのは。小さい頃東京に引っ越ししてくるまでは千葉県の勝浦に住んでいた時は海岸に近い事もあり夜海岸沿いを散歩していたが、今では夜道に散歩なんてしたら何が起きるか分からない、そんな時代になってしまった日本はこの先どんな国になるのだろうか。
「彦真!!」
「ん?」
「何度も呼んでいるんだけど」
「ごめん、なんだっけ?」
こいつはよく一緒にいる光一、三年生になって一年生の時とは随分変わってすっかり頼れる三年生になったりキャプテンになった、そんな皆に慕われている。
「だからさ、国語の宿題の話」
国語の宿題と言えば、今起きているニュースなどを自分達で切り取ってクラスの皆の前で解説するような課題だった。
「俺は新維新志士についてかな」
「その話題取り扱う人多そうだけど、大丈夫か?」
「まあ、なんとかなるでしょう」
「能天気だよな、彦真って」
「まあ、話題性は抜群だからな」
「俺はどうしようかな?」
「光一はどうするの?」
「俺はサッカーの話題かな」
「そっか、それなら幾らでもなんとかなりそうだね」
「まあね」
それからチャイムがなり日本史の先生が教室に入ってくる。
「はーい、席について、授業始めるよ」
日本史の先生は年配でもう定年まじか、と言う噂があるくらいの歳の先生だ。
そして授業は進んでいく、そうして今日の分野は江戸時代の所だった、丁度、新選組の話題になった時に先生が一本の刀を持ち出した。
「先生それ日本刀?」
「そうだよ」
「持っていて大丈夫なの?」
「ちゃんと国の許可も得ているから大丈夫だよ」
そう言うと生徒から、凄いじゃんと言う声がでた。
「それ本物?」
「うん」
「先生ってもしかして金持ち?」
「少し前は映画にも関わるくらい有名なんだよ」
自画自賛だが実際そうなら、相当凄い人だ。
「誰の刀なの?」
「川上彦齋って人だよ」
「誰?」
クラスでピンと来ている人はいなかったが、歴史の好きな俺は少しだけ知っていた。
新選組とは対になる人物なのになぜそれを、先生が持っているのか不思議だった。
「じゃあ、今から皆に渡すから少し持って見て」
そう言うと前の席の生徒から回し始めた。
「先生!!」
「何?」
「これ、外していいの?」
恐らく鞘を抜いて良いか聞いているのだろうが、本物なのならまずいだろうと思っていたら回答は予想だにしていないことだった。
「危ないから一瞬だけ抜いたら閉まってね」
「ほーい」
そうして、刀は色んな生徒に回って行く。
俺はの席は一番後ろの窓際の席なので、刀が来るのは最後になる。
それまで川上彦齋について、知っている情報を頭の中で考える。
この人物は、人気漫画のキャラクターのモデルになっているくらいの人物なのだが実際、知っている人はいないのも頷ける。何故なら新選組のように有名な歴史に残っているくらいの人物ではないのだ、だから歴史に詳しい人じゃないと分からないだろう。
そんな事を考えていると、自分の番が回ってきた。
初めて日本刀を見て持っている自分に感心しながら、先生に感謝していた。
意外に重い、これを振り回してみるのは少し筋力がいる。そんな感想を持ちながら鞘を抜いて刀身を見ると大分錆び付いている、やはり皆が思っているような綺麗な状態を保つには相当大変なのだろう、そうして鞘を戻そうとした瞬間、意識が飛んだ。
「え?」
「この世界に干渉できるとは面白い」
「此処どこ?」
見まわしたら真っ白な空間に机とその上にお茶が乗っており俺の前には色白で中性的な青年が座っていた。
「えっと、貴方は?」
「うん、拙者は川上彦齋だ」
「えーーー!!」