「速報です。本日午前10時頃、千代田区・皇居周辺で大規模な発光現象と通信障害が発生しました。現場は自衛隊と警察によって封鎖され、現在も詳細は明らかにされていません。」
皇居が突如として“光に包まれた結界”で封鎖され。
メディアでは「テロか?」「超常現象か?」と騒がれている。
政府は何も発表せず、世間はざわついていた。
そして、俺は皇居の前にいた。
「おい、お前の作戦で行けるのか?」
「はい、久遠の言うことが正しければこの結界に入れるのは俺しかいない」
「でも、神崎君だけが入るって言っても中にいる新維新志士達はどうするつもりだい?」
「やるしかないです。柚葉を助けます」
数時間前。
俺は皇居の前に居た。
「神崎彦真」
後ろにいるのは声だけで分かった。
そして、俺の背後から久遠はナイフのような先端が尖った何かで背中を取られた。
「久遠、柚葉はどこだ?」
「この中にいる」
「皇居の中に?」
「ああ、これから結界を張るその中に入れるのは神崎彦真、お前だけだ」
「中に居る人はどうなる?」
「安心しろ、被害は少ない方がこちらとしても助かる」
「分かった」
「それじゃあ、また中で会おう」
現在。
「陛下の避難は確認済みだ、あとはこの異常を止めるだけだ」
織田さんがそう言う。
「他の職員、警備員も避難された」
今回は高杉さんも現場に居た。
「久遠は俺を指名している、だから俺が行くしかないんです」
「でも、神崎君だけで行くのは危険すぎる」
華山さんが忠告してくれるが、それでもやるしかな。
「今は神崎君を信じましょう、僕らは外で待ちましょう」
沖田さんは賛成のようだった。
「それじゃあ、頼むとするかな?それでいいかい神崎君」
「はい」
「それじゃあ、行ってらっしゃい」
「行って来ます」
俺は皇居の結界の中に入った。
中は霧が濃く、視界は悪かった。
俺の前に一人の男が立っていた。
「誰だお前は」
「二之瀬 猩、いやそっち風に言うと西郷隆盛と言った方がいいかな?」
「そうか、武器は持ってないんだな」
「ああ、俺は素手が武器だ」
「分かった」
俺は無銘を持ち鞘から抜いた。
「俺だけ武器持って悪いな」
「いや、俺はこれが俺の戦闘スタイルだ」
俺は抜刀をした。がそれを手で止めた。
「そんな速度の抜刀では俺に傷をつけられないぞ」
「うるさいな」
何度も斬るがそれを素手で止めてくる。そして反撃をしてくる。
「おらおら、その程度か!!」
素手とは言え何か、強化をして殴ってくる。
「これは、仁義崩拳と言ってなこれを使えば刃は通らないぞ」
「悪いな先を急ぐ」
「あ?!ん」
二之瀬は倒れた。
「影徹」
これは、完全な無音で放たれる“斬撃だけが存在する技”で抜刀モーションすらなく、相手が“気づいた時には斬られている”。
気を失った二之瀬をそのままに先を急いだ。