怒り、怒り、怒り、怒り。
それ以外の言葉が見当たらない。
自身の勝利は目に見えていた。
目に見えていたからこそ、二度の太刀がレイルの矜持を傷つける。レイルの傷つけられた矜持を今この瞬間治すことは出来ず、怒りのみが自身の思考に蓄積された。
「
「無視されちゃったね、ラビット」
「アリス、あなたの言葉はあまり場に則していません」
「あら、そうなの? なら、気をつけなきゃ。
アリスが幾ら話しかけようとレイルは耳を傾けず、スタスタと歩き続ける。
(殺す、次会えば、
考えれば考えるほど怒りに満ち続けた。
そして、
「ねえ、
無視をしようとするもののレイルが受けた傷は深く、今でも血が止まらずにいた。少し足がふらつくと自身の身を考え、レイルはため息を吐きながらその手を取る。
「あら、珍しい。
アリスはレイルが手を取ってくれたのが嬉しいのか微笑みながら口を開くとそれに対してレイルは悪態を着く様に応えた。
「随分お喋りだな、
「ふふ、そうかしら?」
彼らは短い会話を閉じ、拠点へと向かう。四つ足の機械が走る音が平原に鳴り響いた。