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第8話 何が触ったんだろ?

考え込んでいると会話を忘れて無言になっていたところに未来がつぶやく。

「龍輝も稜輝も立場的に難しいんだろうな。っと思うよ。」理解してもらえてると思うと嬉しくて言葉につまる。

「‥‥‥‥‥‥‥‥‥。うん。」

「でもな。あんな大きい会社が簡単に潰れない。」

「‥‥‥‥‥‥‥‥‥。うん。」

「龍輝?」未来が不意に呼ぶ。

「うん?」顔を上げると未来と目が合う。ニッコリ笑った未来の手が伸びてきて頭をくしゃくしゃに撫ぜられる、何か言うと余計に長くなると思い無言で手を払いのける。払いのけられた手をさすりながら

「分かってる。親父さんの会社を自分で守りたいだろう?!」

「あぁ!!」

「だったら2人で守ろうぜ!2人じゃなくて、4人だけど‥‥‥‥‥稜輝もパートナーも協力してくれるさ!!」

「えっ!」ビックリするぐらいの大きな声が出てしまい咄嗟に自分の手で口をおさえる。

「稜輝もお前と同じ想いは持ってる。それは忘れないでやってくれ!」

「‥‥‥‥‥‥‥‥。もちろん。兄ちゃんがバックにいるなら最強じゃん。嬉しい。」小学生みたいに喜ぶ龍輝を優しい眼差しで未来は見つめた。

未来と目が合うと未来がサッと目をそらして

「おぉ! よし!食って帰るぞ。明日からびしばし働くぞー」

「えぇー。」ガックシっと項垂れる。


「そうだ!未来は、どこに住んでる?会社から近い?」

「うーーヒミツ。」

「ヒミツの意味がわからん。」頭を傾げる。

「おいおいね。」意味深に未来が微笑む。

秘密の意味とあの微笑みに裏がありそうで恐いなー。何か企んでそう。


テーブルの上の料理を食べ終わり。

「「ごちそうさまでした。」」2人の声がハモル。


未来が女将を呼びタクシーを1台頼む。


「1台??」

「大丈夫。」未来が意味ありげに笑う。


店の外に出てタクシーに乗り未来に「また、明日」って言おうとしたら未来がタクシーに乗り込んできた。

えっ‥‥‥‥。イヤー。流石に今日は泊めないよ。えっえっ‥‥‥‥1人ザワザワしてたら未来がスマートに俺のマンションの住所を言う。まぢか??いきなり??えっ。そういう事?心の中が騒がしくなるなかマンションに着く。あたり前のように未来が降りる。

覚悟を決めないと‥‥‥‥‥。っと決心しようとしたら‥‥‥‥‥

未来がすいすい、エントランスに入っていく。

?????

顔認証のはずなんだけど????

コンシェルジュが

「佐々木様  一橋様  おかえりなさい。」

うん????

どういう事???

エレベーターに乗り未来にすかさず聞く。

「どういう事?」

「俺もここに住んでる。」

「はぁー? いつから?」

「一ヶ月ぐらい前。」

「全然知らなかったー。まぢか?!!」

はぁ~。っと座り込む。俺の覚悟を返せ!!!

未来がしゃがんで‥‥‥顔を近づけきて額に未来の前髪がかかるのを感じた時に唇に柔らかい感触が一瞬あった。

「ほら!立って」っと未来に立たされたと同時に最上階に着く。未来も降りる‥‥‥‥‥‥まさか!!

「階も一緒?」

「ビンゴー!」と楽しそうに言う。ビンゴーじゃねぇーよ!!

「じゃ。明日!!」っと未来は部屋に入っていった‥‥‥‥。


未来‥‥‥‥‥‥‥‥キスした?!えっ。キスよね?!唇やったよね??どういう事??

右手で唇をさわる。確かに、ここに感触があった。未来の唇の感触‥‥‥‥‥。ボーっとしながら部屋に入る。部屋に入ってからも唇にしか神経が通ってないのかと思うぐらい唇の感覚に集中して思い出していた。





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